立命館大学 大阪府茨木市
開催日:平成29年10月18日(金)
医療の現場でも欠かせない、エネルギーについて改めて学ぶ
「エネルギーって、“○○” 」を考える
 くらしと同様に医療の現場でも、エネルギーは欠かせない存在である。これからの医療においては、高齢化社会の到来と高度な医療の進歩により一段と多様化すると言われている。今回はエネルギーの多様化(ベストミックス)をどう考えるかをテーマに、鈴鹿医療科学大学の保健衛生学部医療栄養学科の学生に話し合っていただきました。
ワークショップ
エネルギーって?

科学技術コミュニケーター 小寺 昭彦 氏
 本セミナーでは、エネルギー問題を普段あまり意識することが少ない学生に、関心を持ってもらえるようにグループに分かれてのワークショップからスタートした。まず、エネルギーに関連する「人工衛星から見た夜の地球」など数枚の写真やイラストをみた印象を踏まえ「エネルギーって、“○○” 」というコピーを考えるワークを行った。各グループから“○○”には“生きる源”、“世界を進化させる”などユニークなコピーが発表されて少しずつ関心が高まってきた。次に「太陽光パネルの付いた家に住みたい?」「災害時に電気が限られていたらどの家電製品から使う?」といった身近な話題を問いに意見交換を行った。これらのワークを踏まえ、柳澤氏の講義をお聞きしたあと「日本の電源構成をどのようにしたいか」という火力発電、再生可能エネルギー、原子力発電の比率を考える難しい問いに、3つのシナリオに基づいてコスト、二酸化炭素排出量、自給率を意識しながら話し合いを行った。その後の発表では同じ結果になってもコメントが異なるなど、限られた時間の中で自分たちの将来に関わる問題として真剣な話し合いがなされたことが伝わる貴重な時間になった。
写真
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講義
エネルギーの現状と課題

資源エネルギー庁 原子力立地・核燃料サイクル産業課 課長補佐 柳澤 孝広 氏
写真 日本のエネルギー資源は、9割以上を輸入に頼っている脆弱な状態である。そのため安全性はもとより、エネルギーを安定的供給する、低廉な価格で調達できるか、そして環境問題と日本にとって極めて重要な課題となっている。  昨今のエネルギー情勢を見ると、震災後100ドル/バーレル前後で推移していた原油価格が急落し、現在では60ドル/バーレル前後となっている。しかし、国際情勢に大きく左右され、かつ中国やインドなどの新興国でのエネルギー需要の増加は避けられない。将来、エネルギー需要を賄えなくなれば、再び、需給が逼迫し、価格が高騰することも予想される。  そして、福島第一原子力発電所の事故により、エネルギー情勢は大きく変わった。原子力発電の再稼働は進まず、電力の供給面で不安定な状況が続いている。不足する電力を賄うため、石油やLNGなどの化石燃料と再エネ・省エネにて賄っている状況である。  こうした状況の中、国は「エネルギー基本計画」をもとに、将来の日本のエネルギー需要の見通しや電源別の構成比率などの検討を進めており、国民一人ひとりが、エネルギーの供給の安定性、経済への影響、環境への影響などさまざまな視点からエネルギー問題を捉え、冷静に議論することが大切である。
開催後の声
鈴鹿医療科学大学保健衛生学部医療栄養学科 准教授 棚橋 伸行氏 
 エネルギーは、私たちの生活そして医療においても不可欠である。そのため、将来に向けてきちんと考える必要があり、医療の分野に関してもつながる目線だと思う。なぜならば、医療の現場でも、状況に応じて対応は異なり、「答えがない、ひとつではない」。だからこそ、現在、数年後、10年後など時間軸に沿って、考えていく必要がある。本日の経験は、これからの医療現場で、さまざまな判断を必要とされるときに活かせると良い。本日のワークショップで行ったような、自ら考える力やコミュニケーション力をさらに身につけていって欲しい。
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