東北女子大学 青森県弘前市
開催日:平成30年1月25日(木)
クイズや映像上映、講義を通じて学ぶ
過去、現在、そしてこれからのエネルギー事情と課題
 管理栄養士や学校での栄養教諭、家政科教諭を目指す、東北女子大学 家政学部健康栄養学科の1年生を対象に、長南 幸安 教授のご協力のもと、日本のエネルギーの現状や、エネルギー政策、また世界のエネルギー事情についての理解を深めていただくよう本講座を開催した。
エネルギーと環境に関するクイズ
「エネルギーについての12の質問」

 講義前にあらかじめ学生達の知識を確認するために、日本や世界のエネルギー事情や環境、エネルギー政策に関するクイズを12問、4択形式で出題し、個々で回答していただいた。日本のエネルギー自給率を問う設問では、「20%」と選択する学生が半数以上で、正解の「7%」と答える学生が、2割程度と正解率が低かった。しかしながら、現在の日本の石油の中東依存度の割合「8割」や、ライフサイクルCO2排出量のもっと多い発電設備の回答「石炭火力発電所」の正解率は、5割以上と高かった。
映像上映
「世界気象機関(WMO):2050年の天気予報」

 これからの日本や世界の天気はどのように変化するのか。温暖化の影響を理解していただくために、NHKで放送された「2050年の天気予報」を上映。「お彼岸の頃でも東京は35度、熱波の影響で京都の紅葉の見ごろはクリスマス時期に、猛暑の続く日本列島にスーパー台風が接近中。」また、世界の状況として「サンゴ礁の白化が広がり、海洋酸性化によってさらなるダメージの予測、さらにはグリーンランドの氷床の融解」などと予報し、温暖化のもたらす異常とその影響を伝える映像である。
映像:「世界気象機関(WMO):2050年の天気予報」
講義
歴史的視点から見る次世代へのエネルギーメッセージ

資源エネルギー庁 原子力立地・核燃料サイクル産業課 原子力広報官 須山 照子 氏
写真 人口の増加や経済発展に伴い、私たちは利便性の高いエネルギー源を利用するとともに、消費量を急速に拡大させてきた。エネルギー選択も代ごとに変化しており、1973年の石油ショックを機転に、原子力や天然ガス、再生可能エネルギーへとシフトされていった。そして、90年代には、温暖化に対する国際的な取り組みのための国際条約、京都議定書が採択され、世界が地球温暖化に目を向け始めた時期である。2011年には、東日本大震災による東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故で電力供給が不足し、改めてエネルギーのあり方の見直しが行なわれ、安全供給を第一とし、再生可能エネルギーへの価値観が高まった。
 そして、震災後は現在の日本のエネルギー自給率は7%に落ち込み、これは先進国の中でも極めて低く、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っている状況である。また、電気料金は、化石燃料の増加、再生可能エネルギーの買い取り費用により値上がりしている。
写真
エネルギーと環境に関するクイズ
「エネルギーについての12の質問」より
 都道府県別でみて風力発電の出力数が最も多いのは青森県である。続いて、北海道、秋田県の順となり、風況の良い地域、北海道や東北地方に多いのが特徴である。こうした地域では、電力需要が少なく、送電網が弱いことから、大型風力発電所を開発しても、消費地まで送電するための送電網が脆弱という課題がある。
 2015年に採択されたパリ協定では、世界全体で温室効果ガスを下げ、地球温暖化をストップさせる取り組みが進められている。また、2050年には世界的に決められた目標「温室効果ガスの大幅な削減を目指す」ことを見据えると、世界の情勢や成長、温暖化対策の動向、環境イノベーションの変化などを踏まえて、多面的、多層的な視点を持つことが大切。日本は今後、技術革新・人材投資・海外貢献で世界をリードできる国として期待したい。
参加者の声
 講義内容や映像視聴により、このままのペースで温暖化が進むことの深刻さを理解したという声が多くあった。そして、自分たちでできるエコ活動への興味に繋がり「エコバックを持ち歩いたり、電気をこまめに消すようにすると心がけたりする」という意見があった。
 印象に残っている内容については、「電気料金の値上がり」や、本講座の開催地でもあることから「青森県には風力発電の導入が多い」など、身近な話題へ関心を示す記述が多く見られた。
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