vol.1(2020/01)

“電化”、“脱炭素化”と原子力発電


昨年9月、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで、“世界エネルギー大会(World Energy Congress)”が開催されました。4日間の会議でした。この会議で議論された事々の中から、これからのエネルギーの傾向をピックアップし、キャッチフレーズで言い表してみます。一つは、“電化”です。もうひとつは、“脱炭素化”です。“電化”は、21世紀のこれからのエネルギーの傾向です。“脱炭素化”は、欧州が特に強く訴える地球温暖化対策にそったもので、政策目標としての傾向です。実は、国際的な政策目標として広く知られているものに、2015年につくられた国連の持続的開発に関する目標(SDGs)があります。このSDGsは、17の目標がうたわれています。第一に「貧困をなくそう」、第二に「飢餓をゼロに」とはじまります。エネルギーは、7番目に「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」とあります。13番目に、地球温暖化問題があり、「気候変動に具体的な対策を」とあります。まだまだ、貧しく発展途上の国々では、石炭や石油などを始めとして、何であってもエネルギー源が必要で、そのことも踏まえられています。

ところで、2019年5月、国際エネルギー機関(IEA)は、「クリーンエネルギーにおける原子力発電の役割」と題する報告書を公表しました。この中で、IEAは、現実的で、最も経済的なエネルギー源として、原子力発電の活用を強く訴えています。運転期間の期限延長や運転休止中の発電所の稼働など、極めて具体的な訴えをしています。残念ながら、日本では、このことはほとんど伝えられませんでした。

理事長 桝本 晃章