vol.21(2022/6/6)

エネルギーと食料品価格が高騰する現状に支援の手を

【自給率:エネルギー・12%、食料・37%】


皆さんご存知の通り、日本のエネルギー自給率は、大変に低いのです。このことはよく知られています。2021年度のエネルギー白書によれば、我が国のエネルギー自給率は約12%(2019年)です。


図「主要国のエネルギー自給率比較(2019年)」
出典:原子力総合パンフレット(IEA「Data and statistics」より作成)

※原子力を国産とした場合の数値となっている。原子力発電の燃料となるウランは、一度輸入すると 長時間使用することができ、再処理してリサイクルすることも可能なため、準国産エネルギーとして扱われる。
※100%以上は輸出していることを表す。


一方、食料自給率も低く、農林水産省の発表では、食料のカロリー換算で、37%(2020年度)だということです。 日本は、このとおり、エネルギーも食料も海外に大きく頼っているのです。

【ロシアのウクライナへの軍事侵攻によりエネルギーと小麦の価格が急騰…
影響は、日本にも】


2月24日に始められ、今も続くロシアのウクライナへの軍事侵攻は、ヨーロッパ諸国をはじめとして、世界的にエネルギー需給とエネルギー源の選択に大きな影響を及ぼしています。
影響は、日本にも及んできています。特に、電気やガスなどの値段が上がっていて、消費者物価指数にもはっきりとその状況が現れています。 また、ロシアとウクライナは、小麦などの農産物の大生産国・輸出国だけに、食糧事情にもマイナスの影響が及び始めています。

<消費者物価指数に見る電気代・ガス代の前年同月比>

消費者物価指数(全国)で見ますと、以下のように大幅な値上げです。


表「2020年基準消費者物価指数(前年同月との比較)」
出典:総務省統計局 2020年基準消費者物価指数
全国2022年(令和4年)4月分(2022年5月20日公表)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf



<ロシア・ウクライナは小麦の大輸出国>

ところで、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が世界の食糧事情にも影響を及ぼしつつあります。実は、この二国の地域は世界でも有数な穀倉地帯で、小麦で見ますと両国の合計では、世界総輸出量の実に28%(2020年)を輸出しています。輸出小麦の多くは、南に位置する“黒海”やその北東の“アゾフ海”から世界中に船積みされています。この船積みが戦争の影響で滞っているのです。
“ロシアはエネルギーと食糧を戦争の道具にしている”という意見すらあります。


表「小麦の輸出量ランキング(2020年)」
出典:国際連合食糧農業機関(FAO)

<日本の小麦輸入国はアメリカ・カナダ・オーストラリア、しかし。>

日本は、小麦の約9割を外国から輸入しています。主にアメリカ(約50%)から、次いで、カナダ(33%)、オーストラリア(17%)から輸入しています(出典:農林水産省HP/2016〜2020年の平均流通量)。ロシアやウクライナからの輸入はほとんどありません。
しかし、小麦は国際市場商品ですので、巡り巡って日本が輸入する小麦価格も値上がりを始めています。

<国際商品・小麦の価格高騰…ロシアのウクライナ侵攻の影響>

ロシアのウクライナへの軍事侵攻については、以前から兆候があったのでしょうが、2月24日に始まりました。
国際的な指標となっているシカゴ商品取引所の小麦の先物価格を確認すると、小麦価格がこの2月24日以降急騰している状況がはっきりと読み取れます。


出典:農林水産省資料


<日本でも小麦製品の値段が上昇する>

この小麦価格の高騰は、私たちの生活にこれから影響が及んできます。
食パンやインスタントラーメンなどの身近な食べ物の値段が上がってきます。立ち食いソバなども値上がりするでしょう。

<パンデミックによって低所得の家計が増えている>

実は、2019年からの新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミックによって、働く場を失い収入が減り、低所得の家計が増えています。深刻な状況です。生活保護申請者数も二年連続で増加しています。

<支援の手を>

政治家を始めとする指導者の皆さんは、こうした日本経済の現状をよく理解して、支援の手を差し伸べてほしいと期待します。

理事長 桝本 晃章