一般財団法人 日本原子力文化財団

ホーム > 財団紹介 > 事業活動


vol.3(2020/2/7)

脱・脱原発の道を行く ~スウェーデンの今~



昨年から今年にかけて、スウェーデンの17歳の少女・グレタさんの発言が、メデイアで多く取り上げられています。地球温暖化対策をしっかりとやらなくてはいけないという呼びかけです。2020年年初、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム・“ダボス会議”にも参加して、発言をしています。


<“私たちの家が火事です”>

“私たちの家が火事です”(Our house is on fire. I am here to say, our house is on fire)。少女が今年のダボス会議で発した第一声でした。


<1992年リオ・サミットで、12歳のカナダの少女が“伝説のスピーチ”>

1992年、地球温暖化問題と生物多様性への国際的取り組みが始まった国連の会議が、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開かれました。環境と開発に関する国連会議(UNCED=United Nations Conference on Environment and Development)です。日本は、宮澤喜一(当時)首相が出席しなかったので、批判されました。実は、このリオ・サミットで、カナダの環境学者の12歳の娘さん(セヴァン・カリス・スズキ)が、スピーチをしています。今では、“伝説のスピーチ”と呼ばれる心のこもったスピーチです。


<スウェーデン:豊かな北の国>

スウェーデンは、スカンジナビア半島に位置し、西にノルエー、北東にフィンランドと接する北の国です。北海道の北端・宗谷岬が北緯45.5度。スウェーデンの首都ストックホルムが北緯59度ですから、相当に北にあることが分かります。国土面積は、45万平方キロメートルで、日本(37万平方キロメートル)より少し広い面積です。人口は、一千万人。日本の十分の一以下です。経済的には、人口一人当たりのGDPでみると、51,000~54,000ドルです。日本が40,000㌦前後ですから、豊かさが分かります。ノーベル賞を創設したアルフレッドノーベルが、この国の人であることは、小学校の教科書でも紹介されていて、良く知られています。私たちが日常的に触れるスウェーデンの製品はといえば、乗用車のボルボ、家具の大型店舗を展開しているIKEAなど、比較的身近な存在です。


<“脱原発”、そして、今、“脱・脱原発”の道を行くスウェーデン>

1980年、スウェーデンは、世界が注目する中で原子力開発を進めるかどうかについて、国民投票をしました。結果は、脱原発に決まりました。1979年のアメリカTMI事故の直後のことでした。しかし、その後色々と政治的経緯があり、今では、“脱・脱原発”の道にあると言ってよい状況です。


<電気の40%が原子力発電>

スウェーデンは、前述のとおり、人口一千万人で北の豊かな国です。国民一人当たりのエネルギー総消費量は、北の国としては、中位に位置します。ノルウェーより少なく、デンマークより多くて、フィンランドとほぼ同量です。そうはいっても、北の国ですから日本の1.5倍です。  2018年のスウェーデンの発電源を見ますと、原子力発電:42%、水力発電:39%、風力発電17%です。残りは、バイオマス発電です(BP)。少々オバーに言いますと、40年前に脱原発の選択をしたスウェーデンは、今では、脱・脱原発路線を行っているように見えるのです。

理事長 桝本 晃章



バックナンバー

vol.2(2020/1/9)

地元に支えられている原子力発電所   …一方で、地域をはじめとした日本経済に貢献

vol.1(2020/1/1)

“電化”、“脱炭素化”と原子力発電




TOPへ戻る