一般財団法人 日本原子力文化財団

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vol.34(2023/12/21)

COP28で「原子力三倍宣言」

 アラブ首長国連邦第二の都市ドバイで開かれていた国連の第28回気候変動枠組条約締約国会議:COP28が12月13日閉幕しました。
COP28では有志国23か国が共同して「原子力三倍宣言」を出しました。この会議で原子力がこのように取り上げられたのは初めてのことです。
その背景を改めて考えてみます。


<背景は今夏の暑さ>

直接的な背景は今年の夏の世界各地Dec.の猛烈な暑さでしょう。 今年の夏、世界各地は大変な酷暑でした。 大勢の人がとんでもない暑さを体験しました。暑さの原因が地球温暖化だということを多くの人たちが思い起こしたに違いありません。


<原因は地球温暖化>

実は、気象の専門家も今夏の暑さを異常な高温だと言い、その原因を地球温暖化だと言っています。 産業革命以降、長い間、人間は化石燃料を利用してきてCO2を出し続けてきました。結果的にCO2の空気中濃度が高くなり、温室効果が強くなりました。それはいわば、人間が豊かになったことによってもたらした“影”だと言えます。


<現在の空気中CO2濃度は417.9pmで産業革命以前の150% >

ちょうど11月15日に、世界気象機関が温室効果ガス年報(2022年12月までの実績)を公表しています。 それによると2022年のCO2の空気中の平均濃度は417.9ppm=0.04179%で、工業化以前(1750年以前)の150%だということです。


<ノーベル物理学賞受賞者真鍋淑郎博士の研究 >
空気中のCO2濃度が濃くなると地球を取り巻く空気の温度が高まることを科学的に分析解明された人がいます。真鍋淑郎博士です。博士はこの研究でノーベル物理学賞を受賞されました。


<日本の年間GDPを上回る異常気象による損失 >
10月の11日、ロイター通信が伝えるところでは、英国のロイズとケンブリッジ・リスク研究センターの共同研究報告によれば、異常気象による世界経済の損失は今後五年間で5兆㌦に及ぶ可能性があるということです。異常気象による世界の農産物の不作や食品・飲料不足が増加するリスクを考えてのことです。日本の年間国内総生産=GDPが4兆2,308㌦(2023年IMF)ですから、この損失額は日本の一年間の経済活動を上回る大きさです。


< 対応策は?>
ところで、こうした地球温暖化に対する対応策は
・省エネルギーの徹底
・太陽光や風力発電など再生可能エネルギーの活用
そして、
・発電段階でCO2を出さず安定した発電をする原子力発電です。
こうした次第で、COP28では初めて原子力発電の三倍増という宣言が出されたのだと考えられます。

理事長 桝本 晃章



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