一般財団法人 日本原子力文化財団

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vol.2(2020/1/9)

地元に支えられている原子力発電所
   …一方で、地域をはじめとした日本経済に貢献



<地域振興を期待された原子力発電所>

今から50年ほど前、新潟県柏崎市に、小林治助さんという市長さんがおられました。名市長と言われた方でした。小林市長さんは、原子力発電所を誘致するという決断をされた方です。誘致にあたって、小林市長さんが考え、望んでおられたのは、将来、発電所の地元地域に、“自分たちの孫子(まごこ)”が働く場ができてほしいということでした。もちろん発電所の安全確保が大前提です。それから50年が経過しました。この間、日本海に面するこの地域は、2007年に大きな地震に襲われ、被災しました。2011年には、太平洋側を襲った大地震が襲いました。地震に続いた巨大津波が引き金となって、福島第一原子力発電所で炉心のメルトダウン事故が起こりました。小林市長さんは、天上でどのように見ておられるのだろうかと思わざるを得ません。

2019年12月、東京電力は、柏崎市長さんのご要請に応じて、発電所の“雇用と調達状況”を取りまとめ、市長さんに提出しました。これは、現在運転は停止しているものの、発電所が地元の皆さんにどのように支えられているかを経済的側面から見たものです。発電所で働く方々で、柏崎市に住む人は、3000人を超えるということです。柏崎市にある企業への発注額は、年間100~200億円弱に及んでいます。この二つの数字は、発電所が地元企業に支えられている現状をよく表しています。


<日本全体で約4万9千人の働く人に支えられている原子力産業>

これを日本全体でみてみましょう。2018年度の実績は、次の通りになっています。

原子力関係職場で働く人は、全国で48,998人。その内、発電所などで働く地元の方は23,618人です。この働く人たちは、電力会社で働く人と、原子力関係企業で働く人たちに分けることができます。一方、原子力施設に関係する経済的影響は次のようになっています。原子力関係支出は、国の研究機関の支出もありますが、ほとんどは、発電所を運営する電力会社の支出です。電力会社の関係支出は、総額で2兆1,188億円になっています。この中には、福島第一原子力発電所事故の原子力事故賠償・廃炉等支援機構への負担金も含まれています。この内、原子力機器メーカーをはじめとする鉱工業生産企業の売上高だけを見ますと、1兆6,077億円となっています。(原子力産業協会産業動向調査報告より)


<原子力発電所は、純国産>

以上、原子力発電所は、ユニットが未だ幾つか運転できていないものの、地域経済、ひいては、日本の色々な産業・企業に広く支えられているのです。見方を変えれば、原子力発電が地域をはじめとして、日本経済に幅広く役立っていることでもあります。原子燃料こそ海外に頼っていますが、それは、コストの中でほんの一部です。原子力発電は、文字通り、国産エネルギーであり、国産技術の産物であると改めて感ずるところです。


理事長 桝本 晃章



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vol.1(2020/1/1)

“電化”、“脱炭素化”と原子力発電




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