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放射能・放射線の単位

放射能と放射線

懐中電灯に例えると、懐中電灯=放射性物質、懐中電灯から出る光=放射線、懐中電灯の光の強さ=放射能の強さとなります。

放射能と放射線

※放射能を持つ物質(放射性物質)のことを指して用いられる場合もある

出典:原子力・エネルギー図面集

関連情報(詳細):エネ百科「原子力・エネルギー図面集」

  • 関連情報(詳細):
    「放射線って何?」

【ベクレル(Bq、Becquerel)】

放射性物質の量や放射能の強さを表します。1ベクレルは、1秒間に1個の原子核が壊れることです。このときに放射線が放出されます。
放射性物質を発見したフランスの科学者アンリ・ベクレルの名前が単位に使われています。

【グレイ(Gy、Gray)】

放射線が物質や私たちの体の組織に与えたエネルギーの量(吸収線量)を表します。1グレイは、1キログラムあたり1ジュールのエネルギー吸収をもたらす放射線量です。
イギリスの物理学者ルイス・ハロルド・グレイの名前が単位に使われています。

※エネルギーを表す単位。広く一般に使われているものにカロリー(cal)がありますが、1ジュールは約0.24カロリーで、普通の大気圧(1気圧)で、20℃の水1グラムを約0.24℃上昇させるエネルギーに相当します。

【シーベルト(Sv、Sievert)】

放射線の種類や強さを考慮して、私たちの体が放射線によってどれだけ影響を受けるかを表すのに、シーベルトという単位が用いられます。
放射線防護に貢献したスウェーデンの科学者ロルフ・マキシミリアン・シーベルトの名前が単位に使われています。

  • 関連情報(詳細):
    「放射線の単位」

ワンポイント情報

単位の前につく接頭辞「ミリ」、「マイクロ」

ミリは、長さの単位であるメートルの前につくミリと同じく、1,000分の1を表します。同じように、マイクロは、ミリの1,000分の1を表します。したがって、1マイクロシーベルトの1,000倍が1ミリシーベルト、1ミリシーベルトの1,000倍が1シーベルトです。

0.001シーベルト=1ミリシーベルト
=1,000マイクロシーベルト

放射線の測定

私たちは放射線の存在を五感で認識することができないため、放射線測定器を利用し、知りたい放射線の情報を得ることになります。放射線測定器には、さまざまな種類がありますが、放射線に関するすべての情報が同時に得られ、すべての環境条件下で動作するような万能の測定器はありません。そのため、放射線を測る目的をはっきりさせ、さまざまな放射線測定器の特徴をよく理解したうえで、適切な測定器を選ぶことが重要です。

放射線の測定

出典:環境省 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料より作成

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シーベルトの使い方

シーベルトの単位を使うときに、気をつけなければならないことがあります。シーベルトは、二種類の意味で使われます。一つは、皮膚や甲状腺、眼の水晶体など組織・臓器ごとの確率的影響被ばくと健康影響 参照)を表す「等価線量」の単位として使われます。もう一つは、全身への確率的影響を表す「実効線量」の単位としても使われます。
放射線による吸収線量(グレイ)が同じであっても、放射線の種類や放射線を受けた体の部位によって、体への影響が異なります。
吸収線量に「放射線の種類ごとの影響の違いに応じて重み付けした係数(放射線加重係数)」をかけたものを「等価線量」といいます。また、組織・臓器ごとに、等価線量に「体の組織や臓器ごとの影響の違いに応じて重み付けした係数(組織加重係数)」をかけ、すべての組織・臓器の値を足し合わせたものを「実効線量」といいます。
このように、同じシーベルトという単位でも、等価線量は“組織・臓器ごとの影響の程度”を表すために使用し、実効線量は「一人ひとりが受けるすべての確率的影響の程度」を表すために使用します。
実効線量のシーベルトで表された数値が同じであれば、自然放射線でも人工放射線でも、また、外部被ばくであっても内部被ばくであっても、私たちの体への確率的影響の度合いは同じです。

実効線量(防護量)の計算例(外部被ばくの場合)

実効線量(防護量)の計算例(外部被ばくの場合)

実効線量の計算例

実効線量の計算例

出典:ICRP Publication 103.2007・環境省 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料より作成

関連情報(詳細):エネ百科「原子力・エネルギー図面集」

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