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緊急事態での予防的防護措置(放射性物質の異常な量の放出前)

原子力発電所の事故によって異常な量の放射性物質が放出される前に、原子力発電所の状況に応じて区分した緊急時活動レベル(EAL)に沿って、予防的に防護措置の準備および実施を行います。
また、原子力発電所からの距離に応じて区分された原子力災害対策重点区域ごとに予防的防護措置が定められています。
原子力発電所から近いPAZの住民は、異常な量の放射性物質が放出される前に避難を行います。円滑に避難を行うため、PAZとUPZの地域ごとで段階的に避難を行うこととしています。

放射性物質の異常な量の放出前の予防的防護措置

【警戒事態:EAL(AL)】

  • ・PAZの施設敷地緊急事態要避難者は、避難の準備を行い、そのほかの住民は情報収集を行います。
  • ・UPZの住民は、情報収集を行います。

【施設敷地緊急事態:EAL(SE)】

  • ・PAZの施設敷地緊急事態要避難者は避難し、そのほかの住民は避難の準備および安定ヨウ素剤を服用する準備を行います。
  • ・UPZの住民は、屋内退避の準備を行います。

【全面緊急事態:EAL(GE)】

  • ・PAZの住民は、国や地方公共団体からの指示に従い、安定ヨウ素剤を服用し、避難します。
  • ・UPZの住民は、屋内退避を行います。また、避難の準備および安定ヨウ素剤を服用する準備を行います。

※施設敷地緊急事態要避難者
高齢者や障害者、乳幼児など、特に配慮を要する「要配慮者」のうち、早めの防護措置の実施が必要な以下のような住民を「施設敷地緊急 事態要避難者」と設定し、一般住民より一段階早く避難を行います。

・避難に通常以上の時間を要する要配慮者

・妊婦、授乳婦、乳幼児および乳幼児とともに避難する必要のある者

・安定ヨウ素剤を服用できないと医師が判断した者

安定ヨウ素剤(丸剤/ゼリー剤)

安定ヨウ素剤(丸剤/ゼリー剤)

 

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全面緊急事態での防護措置(放射性物質の異常な量の放出後)

緊急事態のうち「全面緊急事態(EAL(GE))」に至り、異常な量の放射性物質が放出された場合には、緊急時モニタリングの結果などによって、適切な防護措置を実施します。

放射性物質の異常な量の放出後の防護措置

UPZの住民が行う防護措置を実施する判断基準として、空間放射線量率や環境中の放射性物質の濃度などで表される「運用上の介入レベル」(OIL:Operational Intervention Level)が設定されています。
これらの基準値は、緊急事態当初に用いられ、地上に沈着した放射性物質の種類が明確になった時点で必要に応じて改定されます。

【OIL6等】

飲食物のスクリーニング結果などで基準値を超えた場合、飲食物の摂取を制限します。

飲食物の摂取を制限する際の基準

避難退域時検査・除染(スクリーニング)の手順

※根菜、芋類を除く野菜類が対象

出典:原子力規制委員会「原子力災害対策指針」より作成

【OIL2】

空間の放射線量が1時間あたり20マイクロシーベルト以上の地域においては、余計な被ばくを避けるため、1週間以内に一時移転します。
さらに、口からの摂取などによる内部からの被ばくを避けるため、地域で生産された物の摂取を制限します。

【OIL1】

空間の放射線量が1時間あたり500マイクロシーベルト以上の地域については、被ばくの影響をできるだけ低減させるため、数時間から1日以内に避難(移動が困難な住民の一時屋内退避を含む)を行います。

【OIL4】

体表面の汚染検査で基準値(入射窓面積が20cm2の放射線検出器を用いて体表面をサーベイした場合にベータ線:40,000cpm)を超えた場合、体表面の除染作業を行います。

関連情報(詳細):エネ百科「原子力・エネルギー図面集」

UPZでの防護措置の範囲(イメージ)

原子力発電所などから放射性物質が放出された場合、UPZにいる人はまず屋内退避をします。
風向きなどによって各地域の放射線量が異なるため、防護措置も違ってきます。放射線量が多めの地域では「一時移転」や「避難」をしますが、それ以外の地域では「避難」はせず、「屋内退避」を続けます。
通常の災害対応と同様、数日から1週間程度の備蓄をしておくことが必要です。

UPZでの防護措置の範囲(イメージ)
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