活動レポート
 勉強会  見学会  その他活動
 NPO法人 札幌オオドオリ大学(北海道)
  • 実施日
      平成29年6月13日(火)
       見学会(幌延深地層研究センター)
      平成29年6月14日(水)
       勉強会・意見交換会(北海道名寄市)
  • 参加者
      16人
  • 実施目的
    • 実感して伝えたい:今回の見学会を通じて、幌延に展示されているガラス固化体の模型に実際に触れ、地下350mの抗道を体験することにより、実感を得た上でほかの方に伝えたいと思います。
    • 担い手を増やしたい:これまでの北海道地区での説明会は、札幌などの大都市で実施されていました。都市部以外で勉強会を開催している方などに声をかけることにより、理解促進活動の担い手を増やしたいと考えています。
    • 中立的な立場の専門家の意見を聞きたい:今回の企画では、直接原子力関連の業務経験のない地質技術者の参画を求めます。中立な立場から、地下数百mのリスクと安全確保の方法などについて解説と意見をいただきます。また専門家から、高レベル放射性廃棄物に関する安全確保の方策についてお話しいただき、偏りのない知識を参加者に持ち帰っていただきます。
    • 理解促進活動を自分事としてほしい:今回は、2日目に「幌延をもっとわかりやすくするための私たちの提言」というワークショップを開催し、理解促進活動を自分事として考えていただく機会を持ちたいと思います。
  • 実施内容  
    • 見学グループは地質技術者が各班に1名同行するなど、多様な意見が交わされるように工夫した。
    • 見学後、参加した地質技術者から付近の地形と地質に関する説明、お話などを伺った。
    • 6月14日は、東北大学名誉教授北村先生から長年六ヶ所村で関わられた対話の場について講演をいただいた。その後「高レベル放射性廃棄物の問題をもっとわかりやすく伝えるための提言」と題したワークショップを行い、参加者が自分事として考えた意見が出た。
  • 活動の成果
    • コアとなる担い手の確保に成功した:過去の、高レベル放射性廃棄物の理解促進活動で運営に関わる方との継続的な関わりを確保することができました。
    • 新たな担い手の発掘に成功した:今回の事業には、社会活動に関心の高い方が新たに参加されました。これらの方は今後、同事業を展開する際のキーパーソンになったり、自ら事業を企画したりといった形で、新たな担い手となることが期待できます。
    • 都市部以外における人脈を確保できた:従来の理解促進活動は比較的人口の多い地域で実施されていますが、実際に高レベル放射性廃棄物の処分場が建設されるのは地方部であると想定されます。今回の事業では、人口約1万人、基幹産業農業という地域から5名の参加者を得て、今後の活動の地方展開が期待されます。
    • 活動のプレゼンスを示した:事前・事後の広報において今年度も札幌地域で高レベル放射性廃棄物に関する理解促進活動が継続されていることを示すことができました。
    • 事業者の姿勢の理解:アンケートを見ると、実験施設における説明は難しかったが、真摯に研究している姿勢は理解されたようです。
    • 中立性を確保できた:今回の参加者には、原子力発電所の再稼働に反対している方が含まれていました。私たちは主催者として、可能な限り中立の立場を貫きたいと考えていました。再稼働反対の方も自由に意見を述べられる場を最後まで提供することができ、場の中立性を確保できたと考えます。
    • 自分事として考えていただけた:最後のワークショップ「高レベル放射性廃棄物の問題をもっとわかりやすく伝えるための提言」では、とても多くの意見をいただきました。今後とも高レベル放射性廃棄物に関する話題を自分事として考えていただけるのではないかと期待しています。
    • 触れることによって実感できたこと:事前説明の際に「土の下に埋めるのか」という質問が出ました。何人かに聞くと、「地層というと土だと思う」という方がいらっしゃいました。彼らが、地下実験施設で実際に泥岩の露頭を目にして「なーんだ、岩じゃないか」ということを実感できたそうです。
  • 参加者のこえ
    • 整えられた環境で色々なことを研究しているのだとわかりました。
    • 取り組みが具体的に見られて、これまでの頭の中だけの知識から大きく前に進んだと思う。
    • 幌延の施設に行けることを楽しみにしていたがわからなかった。
    • 地層処分を何とか実現しようと一生懸命やっている人がたくさんいる。
    • 現地に来ないと感じられない空気感を味わうことができました。
    • 普通に生活していれば気がつかない所、見学できない施設を見られてとても良かった。
    • 実際に目に見て、体感し、現物をみたことで、非現実が現実的なものとなった。
    • 見たものすべてが初めてのもので、350m地下では大変な研究であることを理解した。