活動レポート
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 くらしをみつめる・・・柏桃の輪(新潟県)
  • 実施日
      平成29年7月8日(土)
        シンポジウム(新潟県柏崎市)
  • テーマ
      原発立地地域で考える
      原子力の廃棄物と青森県六ヶ所村の関わり
  • 参加者
    • 103人
  • 実施目的
    • 当会は、私たちの暮らしを支えているエネルギーや電気のことを中心に暮らし全般について、正確な情報を得て、正しい知識を身に付け、生活者の目線で学び、考え、判断し行動することを目的に活動している。 原発立地地域の住民として使用済核燃料の再処理・廃棄物処分は誰もが大きな関心を寄せている。当会では、六ヶ所村の施設見学会を複数回実施し、六ヶ所の現状を実際に確かめてきたが、現地まで行かれない方々と、再処理工場、核燃料サイクルの現状や地層処分の必要性について理解を深める機会としたい。
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  • 実施内容  
    • 「くらしをみつめる・・・柏桃の輪」の活動として、「原発立地地域で考える 原子力の廃棄物と青森県六ヶ所村の関わり」と題したシンポジウムを開催した。
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    • 基調講演「原子燃料サイクル事業の現状」
    • 講師 相澤文雄氏 日本原燃(株)地域・業務本部 地域交流部長
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    • パネルディスカッション「六ヶ所村の今、日本原燃(株)再処理施設と向き合って」
    • パネリスト
    •  相澤文雄氏 前掲
    •  種市治雄氏 六ヶ所村商工会 副会長
    •  伊藤夏子氏 エネルギーを考える未来塾 塾長
    • 進行 歌代勝子氏 くらしを見つめる・・・柏桃の輪 代表
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  • 活動の成果
    • 参加者の中には、初めて聞くテーマであり聞きなれない言葉の連続であったかも知れないが、何か一つでも頭に残り、今後新聞・テレビなどマスコミから流れる情報に耳を傾けてくれることと思う。原子力関連の学習、講演会は、おなじみの顔が多く見られがちであるが、今回は幅広い一般市民の参加が多く裾野の広がりを感じた。地道ではあるが確実に私たちの活動が市民に認知され幅広い分野からの参加者につながった。 確かな気付きと納得感を持ち帰ってくれたものと思う。
    • 基調講演とパネルディスカッションの組み合わせにより、六ヶ所村の様子がよりわかりやすく伝わり、地元住民と原子力事業者との信頼関係のあり方がよく理解できたとの評価をもらった。原子力政策を前に進めるには「地層処分」しかり何よりも地元住民との信頼関係は大事にしなければならないことへの気付きとなった。
    • 六ヶ所村・仙台市でそれぞれ活動する団体を迎えての実施は、柏桃の輪の会員はじめ、それぞれが程よい緊張感の中でシンポジウムによる情報共有、意見交換、交流会を実施できた。この一連の流れでこれからの連携のとり方・立場の違い・地域を越えての話し合いの重要性を再確認した。
    • 一方で全く関心のない一般市民にどう伝えるかが難しい課題。全く関心のない人たちを振り向かせるには、今回のような地道な活動の中で次の新しい参加者を呼び込む。それには実施内容は地元の関心のある事に触れながら、分かりやすく、上から目線でなく、基礎的なことがあまり分からない人にも届くよう仕掛けることが大事だと思う。
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  • 参加者のこえ
    • 原子燃料サイクルのことを知ることができて良かったです。初めて知ることばかりでした。信頼関係は大事だと思いました。
    • 六ヶ所村の歴史は柏崎と似ている部分があった。そんななかで原子力発電所と原燃、それぞれが地元の方々との信頼関係に違いが出てきている。この違いは地元への入り込み方なのかと感じた。一方で県内全域を見たときは、大きな違いはなく、原燃も広報・理解活動が必要であるとも。立地住民と事業者の強い信頼関係の構築が最も重要である。
    • 原子力発電と原子燃料サイクルの仕組みが良く理解できた。六ヶ所村の地域(地方)が、こうしたことの犠牲になっているのか、あるいは地域振興のためになっているのか、その判断はずっと先の将来まで分からないと思う。
    • 将来に向けて子々孫々に負の財産を残さない様、責任転嫁をしないで国民、県民、市民、個々が豊かな生活を送れるようにエネルギー産業と明るい未来が築かれるといいと思われます。出来る、出来ないではなく将来のために確実に安全に実施して欲しい。
    • 自然災害、想定外の災害が起きています。絶対安全などありえないことであり、処分場も安全・安心は過信できないと思います。再処理施設の住民の安全面での考え方、原子力発電所立地地域の考え方、受け止め方の違いが大きいと思いました。
    • 原発に対して容認の立場及び反対の立場での議論は所詮平行線をたどる。しかし立場を超えてお互いに学ぶことは大切である。私は今まで両者の議論に是も否もあることを認めてきた。放射性廃棄物処理に関してはあまり議論されてこなかったが、今回のシンポは意義あると思う。特に容認の立場の方々に言いたいことは、100%の安全は果たしてあるのだろうかと。原発容認派と反対派の構図だけでは立地市柏崎の未来はない。素人がいくら原発の勉強をしたところで安心が得られるものではない。原発を止めたとしても核廃棄物問題は未解決のまま残ることを考えると、このことは最も議論すべき重要な課題だ。