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みんなの活動レポート 地層処分に係る地域団体の学習活動のレポートをご紹介します。

WEB交流会 開催レポート 『インターネットによる情報発信に関する留意事項』(Web交流会)
2021年度 Web交流会

実施日
2021年9月29日(水)18:30~20:00
場所
オンライン開催(Webex)
参加者
43名
共催
資源エネルギー庁
原子力発電環境整備機構(NUMO)

開会挨拶

青田 優子 経済産業省 資源エネルギー庁 放射性廃棄物対策課 課長補佐

情報提供「インターネットによる情報発信に関する留意事項」

船越 雄一氏 弁護士法人戸田総合法律事務所パートナー弁護士

 

1章 批判や中傷をできるだけさけるために

  • ネット上の発信にネガティブな反響が出ることは日常茶飯事。気にしない、という心構えが必要。ネット上の発信は、決して仲間うちのものではない。
  • 発信した情報がメディアで取り上げられたり、フォロワーが増えたりするタイミングでアンチが出てくることが多い。
  • 過去のSNS・ブログを振り返り、個人情報・不穏当な発言がないか確認をし、場合によって過去の発言を削除するなどクリーンにしておくことが必要。
  • 大半の人は味方であり中立。アンチの反響はごく少数の人によるもの。
  • 過去にあった誹謗中傷の相談で、数百件の中傷コメントがあったがその投稿者は一人であった。
  • 批判は気にしすぎない、思い込みすぎないことも重要。
  • ネット上の批判を一人で抱え込まずに、友人・家族に相談して、気分転換することも一つの対策。
  • 批判を浴びやすい話題を扱う時は注意すると同時に、批判を受ける覚悟を持つことも必要。
  • 極力、歴史・宗教・ジェンダー等には触れない。
  • 情報発信がいかにいいものでも「言い方」一つで炎上することもある。
  • 批判を受けるとついカッとなって反論してしまうこともあるが、ネット上だと反論が独り歩きして拡散される。
  • イライラする気持ちを落ち着かせる「アンガーマネジメント」が有効。6 秒間(深呼吸3 回分)、その話題から離れることで落ち着くことができる。
  • 「うっかり著作権侵害」に注意。公開されているから自由に使っていい訳ではない。フリー素材でも利用規約を読むなど、使用する前に立ち止まって考えることが必要。
  • 写真撮影・公開等は事前に公開があることを明記する、または同意書を書いてもらうと安心できる。
  • 後ろから撮影し、個人が判別できないようにするとよい。
  • デマやフェイクニュースにも注意。拡散すると責任を負うことがある。
  • ネット上で言い合い・言い返すことはしない。
  • 自身が公開した内容に誤りがある場合は、即座に謝罪と訂正をする。ネット上はすぐにあら捜しをしてくる危険がある。
  • 事業自体に関する批判・反発にリアクションしない。反応することに対して面白がって揶揄をしてくる。
  • 活動の際の情報発信はグループ内でチェックをし、ルールを決めて発信する。

2章 批判の場となる媒体とその特性を知ろう

Facebook
  • 基本的に本名登録、若年層より仕事での利用が多い。
  • 行き過ぎた発言に注意。
  • なりすまし・個人情報の特定につながるものには特に注意が必要、写真の背景に写っている物もカメラの性能が高いのでズームすると読み取れてしまう場合もあり、個人の特定につながるので注意。
Twitter
  • 若年層から高齢の方まで利用があり、幅広い年代で利用されている。
  • 文字入力は140 文字まで。短い文章で使いやすく、気軽さを生んでいる。
  • 第3 者の投稿を簡単にリツイートでき、拡散力が非常に高い。
  • 注意事項はFacebook と同様。
5チャンネル、2チャンネル
  • 登録が必要なく、古くからある匿名掲示板で誰でも自由に書き込みできる。
  • コピーサイトで拡散されることがあり誹謗中傷も多い。
爆サイ
  • 地域性がある。個人を推定されかねない。誹謗中傷された場合には専門家に相談するなど対策をした方がいい。
個人のブログ
  • 個人の主義主張を投稿している。
  • 合理性を持った誹謗中傷が多い。誹謗中傷された場合には専門家に相談するなどの対策が必要。

3章 不幸にもクレーム、誹謗中傷の被害をうけてしまった時に

誹謗中傷
  • 法律上保護される権利を侵害する場合は対処が必要。
名誉棄損
  • 虚偽内容の発信等が名誉棄損にあたる。
  • 刑事罰・民事上の責任として削除申請損害賠償責任等が発生する。
侮辱
  • 個人の人格を傷つけるようなもの、事実関係を含まない言葉等は度を越えると違法。名誉棄損と同様、損害賠償や削除申請もできる。
肖像権侵害
  • 勝手に第三者の写真などを投稿すればプライバシーの侵害となる。名誉棄損や侮辱と違い刑事上の罰はないが、民事上の請求は可能。
  • 著作権侵害や業務妨害もネット上の投稿で発生する恐れがある。
関係機関への相談
  • 誹謗中傷を受けた際はスクリーンショット等でURL を記録し、証拠を残す。
  • 身の危険を感じる時は迷わず最寄りの警察署へ。費用は掛かるが弁護士法律事務所などもある。
対処方法
  • 記事の削除請求は自分達で、サイト上での違反報告や、書面でも申請できる。
  • 情報開示請求は複雑な手続きかつ時間が掛かるため個人では難しい。弁護士等に任せるのがよい。
反論の掲載
  • まったくの虚偽は信用問題に関わるので、正しい情報を発信することも必要。反論としてではなく、第三者に向けて正しい情報を発信する。

4章 Case Study

勉強会の周知への中傷
  • 批判的な意見は避けられない。反論・反応しないのが原則。ブロック、または非表示にする方法もあるが、相手にも解ってしまう。
勉強会の内容の公開、批判・間違い指摘
  • 公開前に発信内容に誤りがないか慎重にチェック、グループ内にて確認すること。真偽不明なものは公開しない。
  • 誤った内容があれば、速やかに訂正・謝罪をする。
掲載写真を利用され、意危険人物などとされ拡散、中傷された
  • なるべく顔が映らないよう、個人が特定できないようにする。
  • 削除申請は被害者本人しかできないので注意。
なりすまし
  • 最初に信用性のあるアカウントを取得する。
  • なりすましには細やかな違反報告の対策を各種サイトが用意している。
女性差別と捉えられた
  • 過去の自身の発言等も誹謗中傷の対象とされる。過去の発信内容は要確認。
  • あまりにも炎上するようであればアカウントを凍結するなど。

質疑応答・意見交換

  • ツイッターでいうと、複数アカウントを使用することで、自分自身に炎上を仕掛けて閲覧数を伸ばしている例もある。アフィリエイト等の広告収入を増やしている。こういうことをしている人は危険な人だと思う。
    実名登録と言っても、偽名で登録できてしまう。偽名を使って炎上や誘導させることが多い。意図的なリツイートでメディアも誘導できてしまう怖さがある。
    • 確かに複数アカウントで拡散していくことはできるが、信用を失うことになる。見つけた人が運営側に通報すれば、その媒体が凍結されてしまう可能性もある。リンクさせることはいいが、複数アカウントは作らず、発信をしていって欲しい。

  • 活動の中で紙芝居を作成した際、モグラのキャラクターを利用した。瑞浪にもモグラのキャラクターがいたが、キャラクター著作権についての線引きはどこか。
    • ご自身でモグラをイラスト化し使う分には著作権侵害等はない。 著作権の怖いところは後になって『これは似ている』と言われることだが、特徴的なところを真似しなければ心配はない。

  • NUMOのグーモくんを使用する場合は許可が必要か。
    • 真似て書いていただくことは全く気にしていないが、『グーモくん』という名称を商標登録している。グーモくんの着ぐるみを作ったが、コロナの影響でなかなか登場できていない。どんどん使っていただき、寧ろその様子をSNS 等で拡散してほしい。

  • ネットに出ている情報から自分の個人情報を追跡された場合、相手に法的な問題があるのか。
    • ネット上の公開されている情報のことなので罪には問われない。
      自分が事業をしていてそのために妨害されれば業務妨害となるが、個人であれば法的には問題ない。法律が追い付いていない。
      相手の氏名、住所等が解れば、弁護士などの代理人を通じて警告はできる。現状では刑事的罰を与える等はできないと思う。
      フリーアドレスを設定し、その情報だけを伝える等の方法もある。

  • 個人の情報は削除してもらえるようだが、町名、地区名、写真等の削除は法的に難しいのか。
    • 被害者という点では個人か法人かしかない。地域は削除依頼できる立場にない。法的にいうと難しい。

閉会挨拶

高橋 徹治 原子力発電環境整備機構(NUMO)地域交流部長

参加者の感想

参考になったこと

  • 危機管理,リスク対策として情報発信時の留意点を確認できた。
  • 自分もInstagram やTwitter などを多く用い、またTwitter に関しては乗っ取りにもあったことがあるのでそのようなことが起こった際の回避法を知ることができた。
  • 普段からSNS を使用しているので、自分の立場で考えることで参考になったから。
  • 今まで名誉毀損や肖像権など名前では知っているけど、細かな内容までは知らなかったので今回の話でどのようなものなのか知ることができたからです。
  • ブログやSNS での情報発信を行う際に、不必要な炎上等が発生しないように注意すべきことが説明され、有意義であった。
  • 注意ポイントを守り、注意深く行えば、可能かも、と思い始めた。
  • 誹謗中傷を身近な実例で示され大変わかりやすかった。自分らの活動や組織の中でも日々起きている誹謗中傷は現実的にどう対応してよいかが客観的に知ることが出来た。現在の法制度では、被害を受けた方の補償や対策はあまり期待できないので、日頃から被害にあわないように十分気を付けることが大事と感じたところです。

印象に残ったこと

  • ケースメソッドの共有は有難く職場でも検討事例として共有させていただこうと思います。
  • 原子力という話題は非難を浴びやすい話題であることは重々承知していたつもりであったが、こういった情報をインターネットやSNS で取り扱う時には非難されることを前提で投稿しなければならないということが改めてわかり、十分に注意したいと感じた。
  • 送信する前に、誤字と内容の確認が大事、出来れば何人かで見るとよい。不特定多数の人が見るという事を前提に行なう。
  • 現代のSNS や2ch などの掲示板の特色が分かりやすかったです。爆サイという掲示板のことを今回初めて知って、市町村まで細かく別れていることに驚きました。被害を受けた時に記録を残さないといけないということは知っていたのですが、URL が大事だということは知らなかったので印象に残りました。
  • SNS のやり取りにおいて、発信する前にその表現が必要かどうか6 秒立ち止まって考えることが大切との説明は、印象に残りました。
  • インターネットによるトラブルの多いことや、普段気づかない点に気づかされた。
  • 誤解することや個人情報に近いことを含め、あまり余分な情報発信をしないことと気を付けること。

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