月刊誌 原子力文化 インタビュー

原子力文化2023年5月号 インタビュー(抜粋)

日韓関係は正常化できるか
― 相手を「察する文化」の日本の方が異常 ―

第二次世界大戦後、「近くて遠い国」と呼ばれていた国・韓国。
しかし、二〇一八年には、交流人口が一〇〇〇万人を超えたこともあったそうです。
その後、関係悪化がありましたが、今年約一二年ぶりに韓国の大統領が来日しました。
この隣国とどう付き合えばよいのか。半世紀に渡って韓国を考察してきた作家の豊田有恒さんに伺いました。

作家・島根県立大学名誉教授
豊田 有恒  氏 (とよた・ありつね)

 

群馬県生まれ。1963年SF作家としてデビュー後、手塚治虫の虫プロで「鉄腕アトム」などのシナリオを手掛けた。小説のほか、歴史学・考古学・北朝鮮、エネルギー問題まで幅広い分野で執筆活動を続けている。著書に「一線を越えた韓国の反日」、「韓国はいつから卑しい国になったのか」、「ヤマトタケルの謎」、「たのしく老後もはたらく生き方」などがある。最新刊に「不思議の国ニッポン」(ヤマザキマリとの共著)がある。

―― 韓国の尹錫悦大統領が日韓関係を正常化させようと訪日しました。

 マスコミは全然取り上げてないけれども、尹錫悦大統領は全く漢字世代ではないですね。錫悦という字を書いたら、「ソギョル」としか読めないのに「ソンニョル」と呼んでいる。悦ではなく烈だったら「ソンニョル」と読めるのですが……。自分の名前の漢字を読み間違えたまま大人になってしまった人です。韓国は漢字が全くわからない世代の時代になりました。
 ただ、前の文在寅政権の左寄りが中央に戻ったような感じで、それだけは日本にとって救いです。検事上がりですから、いわゆる秀才です。臨機応変にいろいろやってくれればいいけれども、まだ日本としては楽観できないです。
 日本というのは言霊の国です。一度言ったことは政権が変わっても必ず守らなければいけないのです。対する韓国は全取り換えの文化です。政権が変わると、官僚から何から全部変わってしまう。

 

「不可逆的な解決」は事情が変わったと言えば元に戻ってしまう

―― アメリカもそうですね。

 韓国はアメリカに近いのです。政権の政策に永続性がなく「事情が変わった」と言えば、それで済んでしまいます。
 ですから、従軍慰安婦の問題も最終的解決と言って日韓両政府で「不可逆的な解決」という言い方までしたのですが、事情が変わったと言えば、元に戻ってしまいます。
 私が何か言うと反韓派だと言われますが、島根県立大学教授のとき、韓国からの留学生はみんな私のゼミに来るし面倒も見ていました。ですから、私は韓国が間違っているということを言っているので、反韓派ではありません。
 日本統治時代を知る世代がみんな亡くなり、今の韓国では疑似イベント的な日本統治が教えられています。現実の歴史ではないのです。歴史認識が違っているのは日本ではなくて韓国です。そのことを日本側から突き付ける時期にきているのではないでしょうか。

 

―― 韓国人は日本にひどい目に遭ったと言いますが、違うのですか。

ええ。プライドの問題はもちろんありますが、それ以外は日韓併合で、併合と合併は漢字を逆にすれば同じことです。合併していたのですから、韓国・朝鮮人は日本国民でした。例えば特攻隊なども朝鮮半島出身者で志願してくる人が山ほどいました。我が日本の危機だと命を投げ打ち国のために尽くそうと思った人は、日本本土にも朝鮮半島にもたくさんいたわけです。

 

―― 強制ではなくてですか。

はい。そういう意味では、その当時の人は同じ日本人というアイデンティティを持っていました。
 私は一九七二年に初めて韓国に行きました。もう五〇年以上前に地方都市に古墳を見に行きました。田舎で日本人の友達と日本語で話していたら、突然ネクタイをした私より六、七歳上の紳士に「日本からこられましたか」と流暢な日本語で話しかけられました。「はい」と言ったら、「日本のことを教えてください」と。「昔、私は『蛍雪時代』という本を読んで大学受験に備えたけど、終戦でそれっきりになって、何年ぶりかに日本語をしゃべります。日本の話をしてください」というようなことを言った方がいました。
 その頃の年配の方は、日本統治時代を経験しています。もちろん本土系の日本人と朝鮮系の日本人の間で差異があったかもしれませんが、ある意味で郷愁のようなものを持っている人がたくさんいたのですね。  当時は韓国の人にずいぶん親切にしてもらったし、野原のようなところで人々の宴会の脇を通りかかったら、巻き込まれて、おじいさんは日本語がベラベラで、「一緒に飲んでけ」のような話になり、「日本は今どうなっているか」、「次の総理大臣は誰だ」、などと訊かれました。日本を非常に懐かしんでいる人もいました。ただ、それが戦後の韓国の疑似イベント的な反日史観のような教育で、だんだんおかしくなってきたのです。
 韓国の初代大統領の李承晩は日本統治時代、アメリカにいましたから、その時代を知りません。奥さんはドイツ系のアメリカ人です。ですから観念的に国を奪われたと、反日教育を徹底し、公海上に排他的経済水域である李承晩ラインというのを一方的に引きます。

 

(一部 抜粋)





2023年5月号 目次

風のように鳥のように(第161回)
話しかける店/岸本葉子(エッセイスト)

インタビュー
日韓関係は正常化できるか/豊田有恒〈作家・島根県立大学名誉教授〉

世界を見渡せば(第28回)
キャッチ・アンド・キル/関美和(翻訳家・杏林大学外国語学部准教授)

追跡原子力
エネルギーの安定供給に向けて

中東万華鏡(第86回)
ユダヤの偽救世主 シャベタイ・ツヴィ(2)/保坂修司(一般財団法人日本エネルギー経済研究所 理事・中東研究センター長)

おもろいでっせ!モノづくり(第125回)
「ぼやき」は洗練された関西の話術です/青木豊彦(株式会社アオキ取締役会長)

ドイツでは、今(第59回)
再エネ一〇〇%を追い求めた先には?/川口マーン惠美(作家)

ベクレルの抽斗(第7回)
Chat GPTとの向き合い方/岸田一隆(青山学院大学経済学部教授)

読者の皆様へ!/桝本晃章(日本原子力文化財団理事長)




 

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