原子力総合パンフレット Web版

日本のエネルギー事情と原子力政策

エネルギーは、私たちの生命線

エネルギー資源のほとんどを輸入に頼り、他国とのエネルギーの融通ができない島国の日本は、
エネルギーを安定的、かつ経済的に確保していくことが重要です。

1

私たちの生活とエネルギー

エネルギーとは、「仕事をする能力」に相当します。エネルギーには、調理や給湯のように熱を出す働きや、家庭の照明のように光らせる働き、自動車や鉄道のように物を動かす働き、テレビやラジオのように音を出す働きがあります。
私たちの日常生活において、エネルギーはさまざまな形に変換され、利用されています。
エネルギーの働きを利用することで、私たちの暮らしはとても便利になりました。現在は、電気やガスなどがいつでも使え、さまざまな電気製品を使うことで、便利で快適に生活することができます。
電気やガスなどは、石油や石炭、天然ガスなどのエネルギーの源であるエネルギー資源を使いやすいように変換したものです。自然界から採れた石油や石炭などの資源を「一次エネルギー」といい、電気や都市ガス、ガソリンなどに変換・加工されたものを「二次エネルギー」といいます。
私たちは、エネルギーを得るために多くのエネルギー資源を消費して生活しています。

2

エネルギーの安全保障

私たちが利用している主なエネルギー資源は、石油や石炭、天然ガスなどですが、これらは大昔に生きていた動植物などの死骸が地中に堆積し、長い年月をかけて変化してできたもので、化石燃料とよばれています。
私たちが利用している石油や石炭、天然ガス、ウランなどのエネルギー資源は、地球上に無限に存在しているわけではありません。どれも埋蔵量に限りがあります。
現在の技術で、経済的に採掘が可能だと確認されている資源の量を「確認可採埋蔵量」といい、これを年間の生産量で割った値を「可採年数」とよんでいます。
エネルギー資源の可採年数は、現在、石油が51年、天然ガス53年、石炭153年、ウラン102年です。今後、エネルギー資源の埋蔵量や生産量が変動すれば、可採年数は変化することになります。
私たちが、生き残るために最低限必要なものを、手段を尽くして守ることを安全保障といいます。エネルギーを安定して確保していくことができなければ、私たちの生活や産業に大きな支障が出てしまいます。エネルギーは、私たちの生活や経済の基盤となる重要なものであり、エネルギー資源を安定して、かつ経済的に確保していくことをエネルギーの安全保障といいます。

エネルギー資源の確認可採埋蔵量

エネルギー資源の確認可採埋蔵量

(注)可採年数=確認可採埋蔵量/年間生産量 
ウランの確認可採埋蔵量は費用130ドル/kgU未満

出典:(※1)BP統計2017、(※2)OECD/IAEA「Uranium 2016」を参考に作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

3

エネルギー資源の安定確保

2016年度の日本の食料自給率(カロリーベース)は、38%と低く、その向上への取り組みが重要な課題となっています。
一方で、日本のエネルギー自給率(2015年)は、食料自給率よりさらに低く、原子力を国産とした場合でも7%しかありません。エネルギー資源である石油や石炭、天然ガス、ウランは、ほとんどを海外からの輸入に頼っています。これは、経済協力開発機構(OECD、Organisation for Economic Co-operation and Development)加盟34か国(2015年)のなかでも、ルクセンブルクに次ぐ2番目に低い水準となっています。

また、陸続きのヨーロッパ諸国では、国境を越えて送電線や天然ガスのパイプラインが張り巡らされているため、一国で電力を安定的に供給することができなくなった場合でも、発電容量の大きい周辺国との間で電力の輸出入が行われています。例えば、発電電力量の約8割を原子力発電が担うフランスは、原子力発電を利用していないイタリアなどの周辺国へ電気を輸出しています。ヨーロッパ諸国は国を超えて電力を融通することにより、ヨーロッパ全体で「エネルギーミックス」を進めています。
これに対し、島国の日本は、周辺国とのエネルギーの融通は難しいのが現状です。資源小国で島国の日本にとって、エネルギーを安定して、かつ経済的に確保していくことは、国家の基盤にかかわる重要な問題です。

今後、世界のエネルギー需要が増えていくことが予測されます。2040年の世界のエネルギー需要量は、2014年の約1.3倍になるとされています。そのうち中国やインドをはじめとする新興国の需要が大きく増加すると予想されています。
こうしたことから、各国によるエネルギー資源の獲得競争が激しくなり、日本のエネルギー資源の安定確保は、より厳しさを増すと予測されています。

関連情報(詳細):資源エネルギー庁 「スペシャルコンテンツ(石油がとまると何が起こるのか?)」

主要国のエネルギー自給率(2015年)

主要国のエネルギー自給率(2014年)
  • ※1. 生活や経済活動に必要な一次エネルギーのうち、自国内で確保できる比率
  • ※2. 原子力発電の燃料であるウランは、一度輸入すると長期間使用することができ、再処理してリサイクルすることが可能なため、準国産エネルギーとして扱われます。
  • ※3. 2016年度データ(日本の食料自給率)

出典:OECD/IEA「WORLD ENERGY BALANCES (2017 Edition)」などより作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

フランスを中心とした電力の輸出入(2014年)

フランスを中心とした電力の輸出入(2014年)

出典:(一社)海外電力調査会「海外電気事業統計2016年版」より作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

世界の一次エネルギー消費の推移と見通し

世界のエネルギー需要の実績と予測

出典:OECD/IEA「World Energy Outlook 2016」をもとに作成

次へ
前へ
ページトップ