原子力総合パンフレット Web版

原子力開発と発電への利用

再処理とプルサーマル

再処理によって使用済燃料から再利用できるウランとプルトニウムを取り出し、MOX燃料をつくり、原子力発電所で再利用(プルサーマル)します。

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再処理の工程

【受入れ・貯蔵】

再処理工場へ運び込まれた使用済燃料は、輸送容器(キャスク)から取り出され、燃料貯蔵プールで冷却・貯蔵されます。

【せん断・溶解】

硝酸を入れた溶解槽に細かく切断した使用済燃料を溶かし、燃料部分と被覆管部分に分別します。燃料を溶かした硝酸溶液は分離工程へ送られ、溶け残った被覆管などの金属片は固体廃棄物として処理されます。

【分離】

硝酸溶液をウラン・プルトニウムと核分裂生成物に分離します。さらに、ウランとプルトニウムも分離し、精製工程へ送られます。
この工程で分離された核分裂生成物を高レベル放射性廃棄物といいます。これらは溶融炉の中で溶かしたガラスと混ぜ合わせ、ステンレス製容器(キャニスター)に流し込み、冷やし固めます(ガラス固化体)。

【精製】

ウラン溶液、プルトニウム溶液の中に含まれている微量の核分裂生成物を取り除いたものが脱硝工程へ送られます。

【脱硝・製品貯蔵】

精製されたウラン溶液、プルトニウム溶液から硝酸を蒸発・熱分解させ、ウラン酸化物粉末とウラン・プルトニウム混合酸化物粉末(MOX粉末)にします。それぞれの粉末は、燃料加工施設などに運ばれるまで貯蔵されます。

専門情報:日本原燃株式会社「再処理事業の概要」

再処理の工程

再処理の工程

出典:日本原燃(株)パンフレットより作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

ガラス固化体ができるまで

ガラス固化体ができるまで

ガラス固化体の性状

  • 体積 : 固化ガラス約150L
  • 重量 : 約490kg(空容器の重量は約90kg)
  • 表面の放射線量(製造直後):約1,500Sv/h
  • 表面の温度(製造直後):200℃以上

※周囲の環境条件により異なる

出典:日本原燃(株)パンフレットなどより作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

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再処理工場の現状

再処理は、核燃料サイクルの要となる工程です。国内では、これまでに核燃料サイクル開発機構(現国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)の東海再処理施設での実績があり、現在、日本原燃(株)が、日本初の商業用再処理工場(年間最大再処理能力800トン・ウラン)の建設を進めています。
2006年3月よりアクティブ試験(実際の使用済燃料を使った総合試験)が実施されています(使用済燃料を約425トン・ウラン再処理)。使用済燃料からプルトニウムとウランを抽出する工程などの試験は完了しました。

高レベル放射性廃液をガラス固化する試験では、溶けたガラスがノズルに詰まるなどの課題に直面しましたが、改良を行った結果、技術的な課題は解決されました。2012年6月から試験を再開し、最大処理能力での性能確認などの事業者が行うすべての試験が2013年5月に終了しました。
なお、再処理工場の竣工にあたっては、2013年12月に施行された「核燃料施設等の規制基準」(原子力規制委員会策定)に適合する必要があります。
2014年1月に日本原燃(株)は、原子力規制委員会に対して新規制基準への適合性の確認申請を行い、現在、審査中となっています。

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MOX燃料の使用

再処理によって使用済燃料から回収したプルトニウムと、ウランを混ぜてMOX燃料をつくり、現在の原子力発電所(軽水炉)で再利用することをプルサーマル※といいます。
プルトニウムは、原子炉内でウラン238が中性子を吸収して生成されるため、MOX燃料を使用しない場合においても原子力発電の過程で生産されています。
ウラン燃料を利用している軽水炉でも発電量の約3分の1は、プルトニウムの核分裂による発生エネルギーが担っています。プルサーマルの安全性については、1995年に原子力安全委員会(当時)によって、MOX燃料の割合が3分の1程度までであれば、ウラン燃料のみを使う場合と同様に扱えることが確認されています。
なお、使用済MOX燃料についても、使用済ウラン燃料と同じように再処理する方針で、国内外で再処理された実績があり、技術的には可能とされています。

※プルサーマルとは、プルトニウムを従来の熱中性子炉(サーマルニュートロンリアクター、現在、実用化されている大部分の原子炉は熱中性子炉)で利用する、という和製英語

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プルサーマルの実績と計画

世界では、50年ほど前からプルサーマルが行われ、6,300体以上のMOX燃料の使用実績があります。日本では、4つの発電所でプルサーマルによる営業運転を行った実績があります。
2017年11月末現在、関西電力(株)高浜発電所3、4号機と四国電力(株)伊方発電所3号機で、プルサーマルによる営業運転が行われています。
今後、事業者は、六ヶ所再処理工場が竣工し、新たなプルトニウムの回収が開始されるまでには、プルトニウム利用計画を策定・公表する予定としています。
また、すべての燃料にMOX燃料を使うことができる沸騰水型炉として、電源開発(株)大間原子力発電所の建設が進められています。
燃料のすべてにMOX燃料を使用することは、1999年に原子力安全委員会(当時)が検討を行いました。そのなかで、改良型沸騰水型炉において初めて燃料を装荷する際は、MOX燃料の割合を3分の1程度までとし、その後、燃料の交換を行うごとにMOX燃料の割合を段階的に増やし、最終的にはすべての炉心でMOX燃料を使用できることが確認されています。

炉心におけるウランとプルトニウム核分裂寄与割合
(BWR平衝炉心の場合)

炉心におけるウランとプルトニウム核分裂寄与割合(BWR平衝炉心の場合)

出典:資源エネルギー庁「日本の原子力発電」より作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

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