原子力総合パンフレット Web版

原子力防災

原子力災害時の体制と住民の行動

原子力災害時、関係者が一体となり、モニタリングや住民への情報発信を行う体制が構築されます。
住民は、情報伝達手段や避難経路・場所などの情報を平時から確認しておくことが大切です。

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国や地方公共団体などの体制

「警戒事態(EAL(AL))」となる前の段階から原子力規制庁の職員が集まり、現地オフサイトセンター(OFC、Offsite Center)および原子力規制庁緊急時対策センター(ERC、Emergency Response Center)に原子力規制委員会・内閣府原子力事故合同警戒本部を設置し、情報収集を開始します。
「警戒事態(EAL(AL))」になった場合、現地への要員搬送や緊急時モニタリングの準備を開始します。
「施設敷地緊急事態(EAL(SE))」になった場合、原子力規制委員会・内閣府原子力事故合同対策本部の設置および関係省庁事故対策連絡会議を開催します。
また、内閣府副大臣、もしくは、内閣府大臣政務官および国の職員を現地オフサイトセンターなどへ派遣することになります。
「全面緊急事態(EAL(GE))」になった場合、原子力災害対策本部および原子力災害現地対策本部を設置するとともに、原子力災害合同対策協議会を開催し、協力体制を整え、対応を行います。

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オフサイトセンターの役割

原子力災害が起きた場合には、オフサイトセンターに現地対策本部が設置され、国、地方公共団体、事業者などの関係者が一体となり、モニタリング、被ばく医療、避難、住民への情報発信などを迅速に行う役割を担っています。
東北地方太平洋沖地震とそれにともなう津波、福島第一原子力発電所事故の経験から、地震と津波などが同時に発生する複合災害に備えるため、災害に強い通信インフラの整備や電源などの確保とともに、利便性を考慮しながらも基本原則として、緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)圏内(原子力施設からおおむね5~30km圏内)にオフサイトセンターを設置すること、また、代替オフサイトセンターの検討などが求められています。

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国からの情報、連絡体制

迅速かつ適切な情報発信を行うため、原子力災害に関する情報は官邸において内閣官房長官が会見を行い、原子力規制委員会委員などが技術的な内容などに関して細かく説明することになります。

(主な情報発信内容)

  • ・事故の発生日時および概要
  • ・事故の状況と今後の予測
  • ・原子力発電所における対応状況
  • ・行政機関の対応状況
  • ・住民などがとるべき行動
  • ・屋内退避区域、または避難対象区域
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原子力総合防災訓練

国や地方公共団体などが策定した原子力災害に関する各種計画やマニュアルなどに基づく活動を実施し、緊急事態対応を確認するため、国や地方公共団体、原子力事業者などの関係者が共同して原子力総合防災訓練を実施しています。

原子力災害時の政府と事業者間のネットワーク

原子力災害時の政府と事業者間のネットワーク

出典:日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

原子力災害時の住民の行動

自然災害と連動して原子力災害が発生した際は、まず、地震、津波、火災などの自然災害から身に迫る危険を回避することが重要です。その災害の情報を知り、危険の大きさを判断し、身の安全を確保します。そのうえで、原子力災害の規模や危険性に関する情報を得て、屋内退避や避難などの行動に移ります。情報は、テレビやラジオ、インターネット、緊急速報メール、防災行政無線、広報車などを用いて住民へ繰り返し提供されます。

屋内退避

壁や屋根などの遮へい物で外部被ばくを防ぐ効果と、放射性物質からの距離をとることで内部被ばくと汚染を防ぐ効果がある防護措置です。

原子力発電所の事故により放射性物質が放出された場合など、屋外で行動する方が被ばくの危険性が高まるおそれがあります。まずは、建物の気密性や遮へい効果によって放射線の影響を減らすことができる屋内退避をすることが大切です。自宅や最寄りの適切な施設に屋内退避することにより、避難時の混乱や事故を防ぐことにも繋がります。
また、PAZの住民のうち、長距離の避難により健康リスクが高まる方については、無理に避難をせず、屋内退避をすることにより、無理な避難による犠牲者が出るのを防ぐとともに、効果的に被ばくの低減を図ることができます。

避難

車やバスなどで放射線の影響を受けない場所まで移動し、放射性物質から距離をとることで被ばくや汚染を避ける防護措置です。

災害の状況に応じ、住民の自家用車やバス、公共交通機関が保有する車両、船舶、ヘリコプターなどのあらゆる手段を活用することとなっています。
主要な国道や県道を中心に、基本となる経路を設定しています。さらに、自然災害などにより避難経路が使用できない事態も想定し、あらかじめ複数の避難経路を設定することにしています。
PAZおよびUPZの住民の避難先は、避難者が居住していた地域コミュニティの維持に配慮し、可能な限り地区の分散を避けるように各地方公共団体の避難計画において設定されています。

屋内退避のときの注意点
  • ドアや窓をすべて閉める。
  • エアコン(外気導入型)や換気扇などを止め、屋外からの空気を入れない。
  • 屋外で着ていた衣服には、放射性物質が付着している可能性があるため、衣服を着替え、ビニール袋に保管し、ほかの衣服と区別する。
  • 食品には、ふたやラップをかけ、冷蔵庫に入れる。
  • テレビやラジオ、広報車などからの新しい情報を待ち、次の指示があるまで外出は控える。
屋内退避のときの注意点

出典:こんな時どうする?〜原子力災害、知っておきたい「準備」と「対応」〜

避難のときの注意点
  • 避難時に携行する物を用意する。しばらく家を空けてもよいように、貴重品や日常生活に必要な物を携行する。(現金、通帳、印鑑などの貴重品、運転免許証、パスポートなどの身分証明書、着替え、懐中電灯、ラジオ、携帯電話(充電器)、薬、育児・介護用品、非常用飲料、飲料水、眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器、生理用品など)
  • 放射性物質が体に付着したり、吸い込んだりすることを防ぐ服装(レインコート、マスクなど)を身につける。
  • 近隣の住民に声をかけ、できるだけまとまって避難する。
避難のときの注意点

出典:こんな時どうする?〜原子力災害、知っておきたい「準備」と「対応」〜

ワンポイント情報

平常時の備え

地域防災計画(原子力災害対策編)などで、情報伝達に関する責任者や実施者が定められています。また、必要な設備を整備し、迅速かつ正確な情報伝達のしくみを構築することになっています。
緊急時の通報連絡体制や緊急時モニタリング結果の解釈の仕方、避難経路・場所、医療機関の場所、防災活動の手順などの住民の避難に関する情報は、事前に住民に対して十分に周知を図ることとしています。
住民は原子力災害に備え、避難指示などが伝えられる手段や避難経路・場所などの情報を平時から確認しておくことが大切です。

平常時の備え
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