原子力総合パンフレット Web版

放射線と放射線防護

身のまわりの放射線

地球の空気や大地、食べ物、飲み物などの中にさまざまな放射性物質が存在し、
私たちは、常に自然の放射線を受けながら生活しています。

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身のまわりにある放射線

放射線は、目には見えず、においもなく、音もありませんが、私たちの身のまわりに存在しています。大地や空気、食べ物や飲み物に含まれる放射性物質から放射線が出ています。さらに、宇宙からも常に放射線が降り注いでいます。
地球が誕生した約46億年前から放射性物質は存在し、大地の中に含まれる自然の放射性物質から放射線が出ています。大地からの放射線の量は、地域によって差があります。例えば、関西地方は、比較的多くの放射性物質を含む花崗岩が分布しているため、関東地方より放射線量が2~3割高くなっています。
空気や食べ物、飲み物の中にも、自然の放射性物質が含まれています。主なものは、カリウム40という放射性物質で、自然界にあるカリウムには、必ず0.012%含まれています。カリウムは、私たちの体に欠かせない栄養素であり、体重の約0.2%を占めています。
地球には、銀河系や太陽から放射線(宇宙線)が降り注いでいます。地球の大気や磁場にさえぎられ、地上に届く放射線の量はわずかとなりますが、高い場所の方が低い場所よりも宇宙線による被ばくが大きくなります。
例えば、飛行機などに乗ると、宇宙線による被ばくが大きくなります。また、国際宇宙ステーションなどに滞在する宇宙飛行士の被ばく量は、1日で0.5~1ミリシーベルト程度になります。
また、アメリカや旧ソ連などによる大気圏内での核実験が1950〜60年代に行われたことにより、日本の国土にも現在の約1,000〜10,000倍のセシウム137が約10年間にわたり降下していました。このような核実験などが原因で降下してくる核分裂生成物を放射性降下物(フォールアウト)といいます。
現在、50〜60歳代以上の人は、こうしたセシウム137からの放射線を受けてきましたが、それによる健康影響が出ているということはありません。

体内、食物中の自然放射性物質

●体内の放射性物質の量

(体重60kgの日本人の場合)

放射線加重係数

●食物中のカリウム40の量(日本)

(単位:ベクレル/kg)

食物中のカリウム40の量(日本)

出典:(公財)原子力安全研究協会「生活環境放射線データに関する研究(1983年)」、「新版生活環境放射線(2011年)」より作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

ワンポイント情報

トリチウムとは

トリチウムは、水素の仲間(同位体)で、放射線を出す放射性同位体(RI)です。水素の原子核が陽子1個でできているのに対し、トリチウムの原子核は陽子1個と中性子2個から構成されており、「三重水素」ともよばれています。
トリチウムは、自然界では宇宙線と大気中の窒素、酸素が反応することで発生し、主に水の形態で存在しています(降雨中に1~3ベクレル/リットル)。また、原子力発電による核分裂や中性子とリチウム6との反応によって発生する人工のトリチウムもあります。トリチウムの半減期は12.3年です。ベータ線を出しますが、そのエネルギーは非常に弱く、皮膚の表面で止まります。
トリチウムを含む水は、水と同じように新陳代謝などによって排出されるため、人間の体や魚、貝などの海産物に蓄積されることはほとんどありません。ごく一部は有機物に取り込まれますが、それでも体内にとどまる時間は水の4〜5倍程度です。1ベクレルのトリチウムを取り込んだ場合の被ばく量は、1ベクレルの放射性セシウムを取り込んだ場合の被ばく量の1,000分の1程度です。

放射線被ばくの早見表

放射線被ばくの早見表
  • ※各部位に均等にガンマ線1Gyの吸収線量を全身に受けた場合、実効線量1,000mSvに相当するものとして表記
  • ※空気中吸収線量率から実効線量への換算には0.7Sv/Gyを係数として使用
  • ※電離放射線障害防止規則等の改正により、緊急時の放射線を取り扱う作業者の緊急作業従事期間中の線量限度を2016年4月より250mSvに引き上げ
〈1人あたりの自然放射線の内訳〉

出典:UNSCEAR 2008年報告書 ICRP Publication 103, 2007(公財)原子力安全研究協会 「新版生活環境放射線(2011年)」などより作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

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