原子力総合パンフレット Web版

地域振興と原子力損害の賠償

原子力損害の賠償

原子力事故による被害者の救済などを目的として、原子力損害の賠償に関する法律に基づく原子力損害賠償制度が設けられています。

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原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)

「原子力損害」とは、核分裂によって発生した放射線や熱などにより生じた障害や、核燃料物質などの放射線や毒性により生じた損害のことをいいます。
さらに、原子力施設で事故が起きて、行政による緊急事態措置によって避難した場合の以下のような損害についても「原子力損害」になります。

  • ・避難や避難などにともなって勤務や事業活動を中止した場合の休業損害や営業損害
  • ・人や財物などの放射性物質による汚染を検査する費用
  • ・汚染されていない農水産物などに関わる生産、営業に生じる風評被害による損害

日本の原子力損害を賠償する制度は、「原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)」と「原子力損害賠償補償契約に関する法律(補償契約法)」という二つの法律から成り立っています。この制度は、諸情勢の変化に対応し、賠償措置額の引き上げを行うなどの改正を行ってきているところです。
原賠法では、被害者の保護を図るとともに、事業者の経営の安定も図ることを目的に、次のことが定められています。

【事業者への責任の集中と無過失責任】

原子炉の運転などにより生じた原子力損害は、故意や過失を問わず、事業者が賠償責任を負います。賠償責任の限度額は、とくに規定しません。ただし、異常に巨大な天災地変と社会的動乱の二つに限定して免責となります。
「原子炉の運転など」とは、次のことをいいます。

  • ・発電所などの原子炉の運転
  • ・燃料の加工や再処理、核燃料物質の使用
  • ・使用済燃料の貯蔵、核燃料物質などの廃棄
  • ・これらに付随して行われる核燃料物質や汚染物の運搬、貯蔵

【事業者への損害賠償措置の強制】

事業者に対して、原子力損害賠償責任保険への加入など、損害賠償措置を講じることを義務づけています。
また、「損害賠償措置額」は、通常の商業規模の原子炉の場合で、1,200億円と規定されています。

【政府の援助】

損害賠償措置額を超える原子力損害が発生したとき、国は、必要と認めるときには、事業者に対して損害を賠償するための援助を行います。また、免責事項による事故や事故から10年の補償期間を過ぎた賠償は、原子力損害賠償補償契約により国が填補します。

原子力損害賠償制度

原子力損害賠償制度

出典:文部科学省ホームページより作成

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原子力損害賠償支援機構法

福島第一原子力発電所の事故による大規模な損害の発生を受け、2011年8月に原子力損害賠償支援機構法が成立しました。
同法では、国が原子力損害賠償支援機構(原賠機構)を通じて、損害賠償に関する支援を行い、巨額の損害賠償が生じても事業者が相互扶助によって支払いなどに対応できるしくみが構築されました。
この制度により原賠機構は、原子力損害の賠償の迅速で適切な実施、電気の安定供給、そのほかの原子炉の運転などにかかる事業の円滑な確保を担うことになりました。
さらに、原賠機構が、廃炉関係の業務を行うために法改正が行われ、2014年8月に名称を「原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)」へ変更し、国による指導・監視のもと、廃炉作業を着実に進めるための体制が構築されました。

根拠法令:原子力損害賠償・廃炉等支援機構法

原子力損害賠償・廃炉等支援機構による賠償支援の概要

原子力損害賠償・廃炉等支援機構による賠償支援の概要

※機構は、特別事業計画を作成する際、東京電力ホールディングスの資産評価と経営の徹底した見直しを行うとともに、関係者への協力要請が適切かつ十分なものであるかを確認

出典:経済産業省ホームページなどを参考に作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

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原子力損害賠償紛争解決センター

福島第一原子力発電所の事故により被害を受けた方々の原子力事業者に対する原子力損害の賠償請求について、円滑、迅速、かつ公正に紛争を解決する公的な紛争解決機関として、2011年3月に原子力損害賠償紛争解決センター(ADRセンター)が設置されました。
第三者が当事者の間に入り、当事者の合意(和解)による紛争の解決に努めることを「和解の仲介」といいますが、原子力事故で生じた原子力損害の賠償について、「和解の仲介」をADRセンターに申し立てることができます。
ADRセンターでは、中立・公正な立場の仲介委員(弁護士)が、お互いの事情などを聴き取って損害の調査・検討を行い、双方の意見を調整しながら和解案を提示する「和解の仲介」業務を行っています。
政府は、すべての被害者が迅速かつ適切な賠償を受けられるように取り組みを進めています。

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