原子力総合パンフレット Web版

福島第一原子力発電所の廃止措置に向けた取り組み

周辺住民や飲食物への影響

年間の積算線量によって「避難指示解除準備区域」、「居住制限区域」、「帰還困難区域」の三つの地域に区分されています。 飲食物に含まれる放射性物質を検査し、基準値を上回るものは、摂取制限や出荷制限が行われています。

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周辺環境への放射線影響

福島第一原子力発電所の事故では、主に放射性ヨウ素や放射性セシウムが放出されました。すべての放出量(ヨウ素換算)は、57万~90万テラベクレル(テラは1兆)と推定されています。
これらの放射性物質は、主に2011年3月12日~15日にかけて放出されました。その後、風に乗って広まり、やがて雨によって地上に降下しました。政府は、事故直後から周辺住民の放射線による外部被ばくや内部被ばくを減らすための措置を講じました。
現在では、1~3号機からの放射性物質の放出量が大幅に減り、大気中への放出が抑えられているため、大気中に放射性物質は、ほとんど検出されなくなっています。

関連情報(詳細):福島県「福島復興ステーション」

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住民の帰還

2013年11月、原子力規制委員会は、避難指示解除の基本的な考え方として、1年間の被ばくが20ミリシーベルト以下となる地域を「避難指示解除準備区域」に設定しています。
インフラや医療・介護・郵便などの生活関連サービスがおおむね復旧し、子供の生活環境の除染が進捗した段階で、県や市町村、住民との十分な協議を踏まえ、避難指示を解除することを示しました。

公共インフラなどの復旧状況(2018年9月時点)

  • ●被災した公共土木施設の99%で復旧工事に着手し、全体の94%が完了
  • ●各施設の完了率は、港湾、下水、公園・都市施設、公営住宅が100%、道路・橋梁が97%、
    河川・砂防が90%、漁港が91%、海岸が83%

出典:福島県資料より作成

政府は、早期帰還支援と新生活支援をより一層強化し、事業や生活の再建・自立に向けた取り組みを拡充するため、「原子力災害からの福島復興の加速のための基本方針」を2016年12月20日に閣議決定しました。

原子力災害にともなう避難指示区域(2018年7月時点)

原子力災害にともなう避難指示区域

特定復興再生拠点区域復興再生計画の認定

福島復興再生特別措置法の改正(2017.5)により、将来にわたって居住を制限するとされてきた帰還困難区域内に、避難指示を解除し、居住を可能とすることを目指す「特定復興再生拠点区域」を定めることができるようになりました。
この特定復興再生拠点区域を定めた「特定復興再生拠点区域復興再生計画」について、双葉町が2017年9月、大熊町が同年11月、浪江町が同年12月、富岡町が2018年3月、飯舘村が同年4月、葛尾村の計画が同年5月に国の認定を受けました。これにより、区域内の除染やインフラ整備等の帰還環境整備が集中的に実施されます。

出典:福島県資料より作成

避難者の状況

避難者の状況

出典:福島県災害対策本部「平成23 年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報」各月最終報

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飲食物の摂取制限と出荷制限

チェルノブイリ原子力発電所事故では、事故直後に飲食物の適切な摂取制限がなされず、住民が汚染された飲食物を摂取したことが内部被ばくの要因となりました。
一方、福島第一原子力発電所事故では、2011年3月17日に放射性ヨウ素と放射性セシウムの暫定規制値を定め、水や牛乳、葉物などの農作物、海産物などの放射性物質を検査し、暫定規制値を上回るものについては、摂取や出荷の制限を行いました。
これにより内部被ばくは低減されましたが、搾乳した原乳を廃棄せざるをえない状況となるなど、農業や漁業に大きな影響を与えました。
2012年4月1日からは、新基準値に基づく検査が行われており、現在でも一部の食品の出荷制限が続けられています。
2017年4月〜2018年3月に検査した306,623件のうち、基準値を超えた食品は200件で、全体に占める割合は0.07%でした(出典:厚生労働省資料)。基準値を超える割合は、年々、低下してきています。
また、放射性物質濃度が全体として低下傾向にあり、基準値を超える品目も限定的となっていることから、検査の合理化や効率化、検査対象としている自治体や品目の見直しなどが行われています。

専門情報:厚生労働省「食品中の放射性物質」

米の全量全袋検査の結果

(2017年8月22日~2018年6月30日)

米の全量全袋検査の結果

野菜・果物、畜産物等の検査結果

(2018年4月1日~2018年6月30日)

野菜・果物、畜産物等の検査結果

※国のガイドラインに基づき福島県が実施している検査

出典:福島県資料より作成

漁業における試験操業

福島県の沿岸漁業および底びき網漁業は、操業自粛を余儀なくされていますが、5万件を超えるモニタリングの結果から福島県産のほとんどの魚種で安全が確認されています。
このため2017年3月からは、「試験操業」の対象を「出荷制限魚種(7種)を除く全ての魚介類」に広げています。
また、漁業協同組合は、試験操業によって販売される漁獲物については、国の基準よりも厳しい自主基準(50Bq/kg[国基準:100Bq/kg])を設け、放射性物質の検査を行っています。

漁業における試験操業
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