原子力総合パンフレット Web版

日本のエネルギー事情と原子力政策

日本のエネルギー政策

安全性の確保を大前提に安定供給・経済性・環境保全を同時に達成するバランスのとれた
エネルギーミックスを目指すことが重要です。

1

日本のエネルギー政策

エネルギー基本計画は、日本のエネルギー政策の基本的な方向性を示すためにエネルギー政策基本法に基づき、政府が2003年10月から策定しています。2018年7月3日に「第5次エネルギー基本計画」が閣議決定されました。
エネルギー政策は、安全性(Safety)を前提に、エネルギーの安定供給(Energy Security)、経済効率性の向上(Economic Efficiency)、環境への適合(Environment)を図ることを基本的な視点(S+3E)として取り組むことが重要とされています。

S + 3E

とくに、電力供給においては、安定供給、低コスト、環境への適合などをバランスよく実現できるエネルギーミックスを目指し、各エネルギー源の電源としての特性を踏まえて活用することが大切です。各エネルギー源は、電源として以下のように位置づけられました。

【ピーク電源】

発電コストは高いが、電力需要に応じて、発電出力の変動をさせやすい電源(石油、揚水式水力など)

【ミドル電源】

発電コストがベースロード電源に次いで安く、電力需要の変動に応じた発電出力の変動ができる電源(天然ガスなど)

【ベースロード電源】

発電コストが安く、昼夜を問わず安定的に稼働できる電源(地熱、一般水力(流れ込み式)、原子力、石炭など)

各エネルギー源の位置づけ

【原子力】・・・ベースロード電源

  • ・エネルギー出力が圧倒的に大きく、国内にある燃料だけで数年にわたって発電ができる。また、発電コストが安く、発電出力の変動が少なく、優れた安定供給性と効率性を有している。
  • ・運転時に温室効果ガスを排出しない低炭素の準国産エネルギー源。
  • ・安全性の確保が大前提。

【再生可能エネルギー】・・・一部はベースロード電源

  • ・温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる低炭素の国産エネルギー源。
  • ・地熱と一般水力は、ベースロード電源。発電出力が安定しない太陽光と風力は、発電出力が調整できる火力などの電源との組み合わせが必要。
  • ・安定供給面、コスト面でさまざまな課題がある。

【石炭】・・・ベースロード電源

  • ・地政学的リスクが化石燃料のなかで最も低く、安定供給性に優れる。
  • ・熱量あたりの単価が化石燃料のなかで最も安く、経済性に優れる。
  • ・高効率の石炭火力発電の有効利用などにより、環境負荷を低減しつつ活用していく。
  • ・温室効果ガスの排出量が大きい。

※地政学的リスクとは、特定地域における政治上・軍事上の問題などが与える影響・リスク

【天然ガス(LNG)】・・・ミドル電源

  • ・石油と比べて地政学的リスクが相対的に低い。
  • ・化石燃料のなかで温室効果ガスの排出が最も少ない。
  • ・水素社会の基盤の一つとなっていく可能性もある。
  • ・シェールガスの価格が競争的に決定されるようになると、各分野での役割が拡大する。

【石油】・・・ピーク電源および発電出力が調整できる電源

  • ・電源としての利用量は多くないが、一次エネルギーの4割強を占めている。
  • ・運輸・民生・電源などで幅広く燃料や化学製品などに利用されている。とくに、運輸部門や製造業で重要な役割を果たしている。
  • ・輸送時の地政学的リスクは最も高いが、可搬性が高く、全国の供給網も整い、備蓄も豊富なことから、ほかの電源の代替などの役割を果たすことができる。

【LPガス】・・・ミドル電源

  • ・北米シェールガスの安価なLPガスの購入などが進み、地政学的リスクが低くなる方向にある。
  • ・化石燃料のなかで温室効果ガスの排出が比較的少ない。
  • ・ガスの供給や備蓄体制が整備され、可搬性、貯蔵が容易であることから、平時の国民生活や産業活動を支えるとともに、緊急時にも貢献できる。

電力需要に対応した電源構成

電力需要に対応した電源構成

出典:エネルギー基本計画(2014年4月)より作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

「第5次エネルギー基本計画」のポイント

今回のエネルギー基本計画では、常に踏まえるべき点として「福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて取り組むこと」などを原点として検討が進められ、2030年、2050年に向けた方針が示されました。
また、より高度な「S+3E」を目指すとしています。

エネルギーが家庭に届けられるまでの流れ
エネルギーが家庭に届けられるまでの流れ
次へ
前へ
ページトップ