原子力総合パンフレット Web版

原子力防災

原子力災害対策重点区域と緊急事態の区分

原子力災害時、放射線防護のための避難や安定ヨウ素剤の服用などについて準備や実施を判断する必要があるため、
緊急事態の初期対応段階を「警戒事態」、「施設敷地緊急事態」、「全面緊急事態」の三つに区分しています。

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原子力災害対策重点区域

これまでの旧防災指針では、防災対策の重点区域の目安を原子力発電所の半径約8~10kmにしていました。しかし、福島第一原子力発電所事故により、その影響が及んだ地域や国際基準を踏まえ、その範囲が見直されました。

【原子力発電所から半径おおむね5km 予防的防護措置を準備する区域(PAZ)】

この区域は、急速に進展する事故のときに、まずは、住民の放射線による確定的影響を回避することを念頭においています。放射性物質が環境へ放出される前の初期の段階に応じて、住民の避難や安定ヨウ素剤の服用などの予防的防護措置を準備する区域としています。

【原子力発電所から半径おおむね5~30km 緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)】

この区域は、緊急事態に、放射線によるがんなどの確率的影響のリスクを最小限に抑えるため、屋内退避や避難、安定ヨウ素剤の服用などの防護措置を準備することとしています。

原子力発電所のPAZ、UPZに含まれる市町村

北海道 泊村、共和町、岩内町、神恵内村、古平町、
仁木町、倶知安町、余市町、蘭越町、寿都町、
積丹町、赤井川村、ニセコ町
青森県 東通村、横浜町、六ヶ所村、むつ市、野辺地町
宮城県 女川町、石巻市、東松島市、南三陸町、登米市、
涌谷町、美里町
福島県 双葉町、富岡町、大熊町、楢葉町、浪江町、
広野町、川内村、葛尾村、南相馬市、田村市、
いわき市、飯舘村、川俣町
新潟県 柏崎市、刈羽村、出雲崎町、長岡市、小千谷市、
上越市、見附市、十日町市、燕市
茨城県 東海村、日立市、ひたちなか市、那珂市、大洗町、水戸市、茨城町、常陸太田市、城里町、
常陸大宮市、鉾田市、笠間市、高萩市、大子町
静岡県 御前崎市、牧之原市、菊川市、吉田町、掛川市、
袋井市、焼津市、島田市、磐田市、藤枝市、森町
富山県 氷見市
石川県 志賀町、中能登町、七尾市、羽咋市、宝達志水町、穴水町、輪島市、かほく市
岐阜県 揖斐川町
福井県 敦賀市、美浜町、高浜町、おおい町、小浜市、
若狭町、南越前町、越前市、越前町、鯖江市、
池田町、福井市
滋賀県 長浜市、高島市
京都府 舞鶴市、綾部市、南丹市、宮津市、伊根町、
京丹波町、京都市、福知山市
鳥取県 境港市、米子市
島根県 松江市、出雲市、雲南市、安来市
山口県 上関町
愛媛県 伊方町、八幡浜市、大洲市、西予市、伊予市、
宇和島市、内子町
福岡県 糸島市
佐賀県 玄海町、唐津市、伊万里市
長崎県 松浦市、佐世保市、平戸市、壱岐市
鹿児島県 薩摩川内市、いちき串木野市、阿久根市、
さつま町、出水市、日置市、鹿児島市、長島町、
姶良市

出典:原子力規制委員会 「原子力災害対策について」より作成

専門情報:首相官邸「原子力災害対策本部会議(第32回)資料」

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緊急事態の区分と対応

ワンポイント情報

原子力災害中長期対策

原子力災害では、事態の一定の収束がなされた後も、放出されてしまった放射性物質などへの適切な対応が必要なため、中長期的な対策が重要としています。
まず、実際の個人の被ばく線量の推定を行い、その結果に基づき、適切な防護措置と除染措置を実施します。そして、放射線量および放射性物質の濃度の経時的な変化を継続的に把握し、「避難区域見直しなどの判断」や「被ばく線量を低減するための方策の決定」、「現在および将来の被ばく線量の推定」を行います。屋内退避や長時間の避難、集団生活などが強いられることから、放射線との関連が明らかな疾患だけでなく、メンタルケアなども含め長期的に健康状態を把握します。
また、住民の避難や放射線による健康影響への不安などの社会的要因を考慮した効果的な計画を立てて除染措置を講じ、除染措置に従事する労働者の被ばくについては、適切な管理を実施します。

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