原子力総合パンフレット Web版

福島第一原子力発電所の廃止措置に向けた取り組み

廃止措置に向けた取り組み

福島第一原子力発電所の廃止措置を進めるには、事故により溶け落ちた燃料(燃料デブリ)を
取り出す必要があります。

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福島第一原子力発電所の課題

2011年12月以降、原子炉を安定して100℃未満に冷却できる「冷温停止状態」を維持しており、原子炉圧力容器底部や原子炉格納容器内などの温度や水素濃度、窒素の封入量、格納容器内の放射能濃度などのパラメータを継続的に監視しています。
発電所内外の空気中の放射性物質は低い濃度を維持しています。また、発電所海域周辺の放射性セシウムの濃度は震災直後と比べて100万分の1まで低減しています。
廃止措置を進めるためには、事故により溶け落ちた燃料(燃料デブリ)を取り出す必要があります。また、廃止措置を安全に効率よく進めるためには、地下水の流入により発生する汚染水処理の問題や放射線量が高い環境での作業の問題など、多くの課題を解決していく必要があります。

福島第一原子力発電所の廃止措置へ向けた課題

  • 事故により溶け落ちた燃料(燃料デブリ)の取り出し
  • 汚染水問題への対策
  • 作業環境の改善

1〜4号機の温度、注水量(2017年11月30日11:00時点)

1〜4号機の温度、注水量(2017年11月30日11:00時点)

資料提供:東京電力ホールディングス(株)

1〜4号機の状況(2017年10月26日時点)

1〜4号機の状況(2017年10月26日時点)

※2017年7月28日撮影
※※2017年9月26日撮影

資料・写真提供:東京電力ホールディングス(株)

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使用済燃料プールからの燃料の取り出し(2017年10月現在)

1~4号機の原子炉建屋内の使用済燃料プールに貯蔵されている燃料などを取り出す作業が進められています。

【1号機】

放射性物質の飛散を防ぐために設置された原子炉建屋を覆う屋根パネルの取り外し、壁パネルの取り外しに続き、2017年5月11日には、建屋カバーの柱・梁の取り外しも完了しました。
現在、オペレーティングフロア(原子炉の上部にある燃料の取り出しや炉内構造物の点検を行うフロア)のガレキ状況の調査や放射線量率の測定などを行っています。
今後、防風シートの設置やガレキ撤去作業、除染を行ったうえで、燃料取り出し用のカバーを設置する予定です。放射性物質の監視などを慎重に行いながら、使用済燃料プール内の燃料を取り出す作業に入ります。

専門情報:東京電力ホールディングス(株)「1号機原子炉建屋上部のガレキ撤去作業」

【2号機】

燃料取り出し用の構造物の組み立てや燃料の取り扱い設備を設置するため、大型の重機などが作業する場所の整備を進めています。また、原子炉建屋の上部の解体に向けて、オペレーティングフロア内で清掃や片付けなどを行うため、2016年9月28日より原子炉建屋の西側にオペレーティングフロアへのアクセス用の構台を設置しています。

【3号機】

2016年6月にオペレーティングフロアの除染作業、同年12月に遮へい体の設置が完了しました。燃料取り出し用のカバーや遠隔操作ができる燃料の取り扱い設備を設置する作業を進めています。

専門情報:東京電力ホールディングス(株)「3号機燃料取り出しに向けた作業」

【4号機(完了)】

2013年11月から取り出しを開始し、2014年12月22日にすべての燃料の移送が完了しています。取り出された燃料は、敷地内にある共用プールで適切に保管されています。

専門情報:東京電力ホールディングス(株)「4号機燃料取り出し作業」

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燃料デブリの取り出し

1~3号機の原子炉建屋の内部は、放射線量がとても高いため、内部に入って作業することが難しい状況です。そこで、ロボットなどを活用して原子炉建屋の内部の除染を実施しています。また、原子炉格納容器の破損状況や、燃料デブリの状態を調査しています。
1〜3号機では、燃料デブリの場所を把握するため、宇宙から飛んでくる高い物質透過能力をもった粒子「宇宙線ミュオン」を用いて、原子炉内部の状態を透視する測定も行いました。その結果、1号機では、炉心域に1m程度以上の大きな燃料の塊がないことや、使用済燃料プールに燃料と思われる密度の高い物質が存在していることを確認しました。2号機では、原子炉圧力容器の底部に燃料デブリと考えられる密度の高い物質が存在していることを確認し、シミュレーションとの比較評価から炉心下部および外周域にも若干の燃料が存在していると推定しています。今後、原子炉格納容器の貫通孔の蓋部に穴をあけ、調査ロボットなどを投入し、内部調査を実施する計画です。
3号機では、炉心域に大きな塊が存在しないことや、原子炉圧力容器の底部に一部燃料デブリが残っている可能性があると評価しています。
燃料デブリの取り出しについては、先行して着手すべき工法を設定し、徐々に得られる情報に基づいて柔軟に方向性を調整することとしています。取り出しは小規模なものから始め、段階的に取り出しの規模を拡大する方針です。また、単一工法を前提とせず、格納容器底部には横からアクセス、圧力容器内部には上からアクセスするなど、部位に応じた最適な取り出し工法を組み合わせます。
現在、格納容器や圧力容器の内部をより詳細に調査する方法の開発が進められています。また、作業現場の放射線量の低減や放射性物質の閉じ込め機能を確保する技術の確立をめざしています。

専門情報:東京電力ホールディングス(株)「格納容器内部調査」

  • 1号機-建屋カバー解体工事

    1号機-建屋カバー解体工事

  • 2号機-構台完成イメージ

    2号機-構台完成イメージ

  • 楢葉遠隔技術開発センター

    3号機-燃料取り出し用カバー設置状況
    (2017年10月20日)

  • 廃炉国際共同研究センター

    4号機-トレーラーへの燃料の積み込み

写真提供:東京電力ホールディングス(株)

ミュオン測定装置 設置位置

ミュオン測定装置と設置位置(3号機)

資料・写真提供:国際廃炉研究開発機構、東京電力ホールディングス(株)

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