原子力総合パンフレット Web版

日本のエネルギー事情と原子力政策

エネルギーミックス
〜エネルギーの安定確保と経済性〜

安全性の確保を大前提に安定供給・経済性・環境保全を同時に達成するバランスのとれた
エネルギーミックスを目指すことが重要です。

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エネルギーの安定確保

日本は、1945年に戦争が終わってから、焼け野原となった国土や生活を一日でも早く復興させるため、懸命に努力してきました。その復興には、エネルギーを確保すること、とくに、安定的に電力を供給することが重要でした。戦後の日本は、水力発電や石炭・石油による火力発電を中心に利用してきました。
1960年代後半、経済成長が進むなかで、当時、石炭よりも安かった石油は、電気をつくる以外にも輸送の燃料や生活用品の製造にも利用されるなど、利用分野が拡大したため、消費がとても増えていきました。
1970年代に入り、アラブ諸国などの産油国による原油の価格引き上げや減産などの影響を受け、原油価格が高騰し、世界的に不況へ陥りました。
日本は1973年に石油がエネルギー供給量の約73%を占めていたため、一部の地域で石油を原料とするトイレットペーパーなどの物資が不足するという風評が広がったことで、社会的に大きな混乱「石油危機」が生じました。
日本では、1973年と1979年の二度にわたって石油危機が起き、それをきっかけに、エネルギーの安全保障の観点から、石油だけに頼らないエネルギー源の確保と、それらを輸入する相手国の多様化を進めてきました。
現在、石炭は、オーストラリアやインドネシア、ロシア、カナダなどから、天然ガスは、オーストラリアや東南アジア、中東、ロシアなどから輸入していますが、石油は、依然として80%以上を中東からの輸入に頼っています。
利用分野の多い石油は、できるだけ発電に使う割合を抑え、主に、石炭や天然ガスを使う火力発電、ウランを使う原子力発電を中心にまかなわれていました。2010年では、発電量に占める石油の割合は、わずか6%程度に抑制されていました。
しかし、2011年に発生した東日本大震災にともなう福島第一原子力発電所の事故以降、全国の原子力発電所が停止し、石油や天然ガスなどの利用量が大幅に増えています。

日本が輸入する化石燃料の相手国別比率(2016年度実績)

電力需要に対応した電源構成
原油
原油
石炭
石炭
天然ガス
天然ガス

(注)四捨五入の関係で合計額が合わない場合がある

出典:※1 石油連盟統計資料、※2 財務省貿易統計より作成

関連情報(詳細):日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

さらに、石油や天然ガスの輸入価格は、輸入する相手国の政治情勢や生産調整などによって大幅に変動するため、日本の経済は影響を大きく受けやすくなっています。
とくに、中東からホルムズ海峡、マラッカ海峡を通って、石油や天然ガスを日本へ運ぶ海路(シーレーン)の防衛が、エネルギー安全保障上の重要な問題となっています。

石油や天然ガスを運ぶ海路(シーレーン)

石油や天然ガスを運ぶ海路(シーレーン)
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経済性

日本の電気料金は、1994年度から2007年度の間において、単純比較では約2割低下しました。2008年度は上半期までの歴史的な原油価格の高騰などによって比較的大きい幅で上昇しましたが、2010年度は原油など燃料価格の低下により2007年度の水準まで戻りました。
2011年以降は、原子力発電の停止にともなう火力発電の利用の増加によって、火力発電の燃料となる石油や石炭、天然ガスなどの輸入額が増えています。こうした燃料価格の高騰に加え、固定価格買取制度による再生可能エネルギー導入の賦課金の上昇によって電気料金が上がっています。
2014年度の家庭の電気料金は2010年度と比べ、約25%上昇し、家計へ影響を与えました。産業用の電気料金は、約38%上昇し、中小企業などの経営を圧迫しました。2014年度以降は大幅な原油価格の下落などの影響により低下傾向ですが、2016年度の電気料金は東日本大震災前と比べて、家庭用は約10%、産業用は約14%高い状況です。
為替の影響もあるため、単純な比較は困難ですが、電気料金を国際比較すると、日本は決して低い水準にあるとはいえません。電気料金の値上げは、家計へはもちろんのこと、国際市場の中で戦う日本企業などへの悪影響があることも懸念されます。

専門情報:資源エネルギー庁「エネルギー白書2017(第2部/第2章/第4節 国際的なエネルギーコストの比較)」

電気料金の推移

電気料金の推移

※電灯料金は、主に一般家庭部門における電気料金の平均単価
電力料金は、自由化対象需要家分を含み、主に工場、オフィス等に対する電気料金の平均単価
平均単価は、電灯料収入、電力料収入をそれぞれ電灯、電力の販売電力量(kWh)で除したもの

出典:経済産業省 資源エネルギー調査会資料をもとに作成

電気料金の国際比較(2015年)

電気料金の国際比較(2015年)
電気料金の国際比較(2015年) 産業用
電気料金の国際比較(2015年) 家庭用

(注) アメリカは本体価格と税額の内訳不明

出典:経済産業省 資源エネルギー庁ホームページを参考に作成

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