原子力総合パンフレット Web版

1章 日本のエネルギー事情と原子力政策

日本のエネルギー政策
〜各電源の位置づけと特徴〜

電源となる石炭やLNG、石油、原子力、再生可能エネルギーなどには、それぞれ特徴があり、
第5次エネルギー基本計画では、それを踏まえ各電源の役割を位置づけています。

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各電源の位置づけ

電力供給においては、安定供給、低コスト、環境への適合などをバランスよく実現できるエネルギーミックスを目指し、各エネルギー源の電源としての特性を踏まえて活用することが大切です。
第5次エネルギー基本計画では、以下のように、各電源を「ベースロード電源」、「ミドル電源」、「ピーク電源」に分けて、それぞれの役割を位置づけ、また、太陽光や風力についても、その位置づけや課題などをまとめています。

電力需要に対応した電源構成

電力需要に対応した電源構成

出典:経済産業省 資源エネルギー庁資料などより作成

ワンポイント情報

kWとkWh

「kW(キロワット)」と「kWh(キロワットアワー)」は、よく似た単位ですが、その意味合いは異なります。「kW」は電力の単位で、電気エネルギーをつくる能力を表します。たとえば、100万kWの発電所は、最大100万kWの電気をつくる能力(発電容量)をもつ発電所という意味です。これに対し「kWh」は、つくられた電気エネルギーの量の単位です。たとえば、100万kWの発電所が最大の発電出力で5時間発電をすれば、100万kW×5hで、発電量は500万kWhとなります。

各電源の特徴

国産のエネルギーか輸入が必要なエネルギーか、地政学的リスク(特定地域における政治上・軍事上の問題などが与える影響・リスク)が高いか低いか、発電のコストが高いか低廉か、温室効果ガスの排出量が多いか少ないかなど、安定供給や経済効率性、環境適合、運転特性などにおいて、各電源にはさまざまな違いがあります。
すべてに秀でた電源はなく、それぞれが強みと弱みをもっています。

各電源の特徴

※1 原子力発電の燃料であるウランは、一度輸入すると長期間使用することができ、再処理をしてリサイクルも可能なため、準国産エネルギーとして扱われる。

※2 発電時に二酸化炭素を排出しない電源

出典:経済産業省 資源エネルギー庁資料などより作成

ワンポイント情報

発電量と消費量のバランス

2018年9月に、北海道厚真町で最大震度7の「平成30年北海道胆振東部地震」が発生し、主力電源であった苫東厚真火力発電所が運転を停止したことに加え、送電線の事故などもあり、北海道エリア全域で大規模停電(ブラックアウト)が起こりました。
電気は、常に発電量(供給)と消費量(需要)を一致させることで安定供給を維持しています。この需給バランスが崩れて周波数が乱れると、照明がちらついたり、工場では機器の作動が不安定になって製品に不具合が出たりします。さらに発電所では、電気の供給が正常に行えなくなると安全装置が発動し、発電所が次々と停止して、大規模な停電につながります。
電源にはそれぞれに特性があり、水力や原子力、地熱、石炭火力などは安定して発電ができますが、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは季節や天候によって発電量が変動します。このため、再生可能エネルギーを大量に導入するには、その出力変動に対応して出力調整ができる火力発電などをバックアップとして準備し、発電量と消費量のバランスをとる必要があります。
また、再生可能エネルギーで発電をする地域と既存の電力系統をつなぐために新たな電力系統が必要になる場合もあり、コストの増大につながります。こうした「系統制約」の克服も、再生可能エネルギーを大量導入する際の課題となっています。

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